テレビやモニターの購入を検討しているのであれば、画面の大きさも大事ですが、ディスプレイの種類にも目を向けるようにしましょう。

 大きく分けると「有機EL(OLED)」と「液晶」の2種類がありますが、それぞれ特徴が異なります。この記事では、有機ELと液晶の違いやメリット・デメリットについて解説するので、購入の際は参考にしてください。

有機EL(OLED)と液晶を徹底比較! 仕組みやメリットデメリットを解説
(画像=『BCN+R』より 引用)

液晶

 液晶ディスプレイは、バックライトを光源として搭載し、その光を液晶でコントロールして映像を映すタイプのディスプレイです。液晶の前にRGBのフィルタを置き、光を通すことで色が付いた映像を表示させます。

有機EL(OLED)と液晶を徹底比較! 仕組みやメリットデメリットを解説
(画像=『BCN+R』より 引用)

メリット

 液晶ディスプレイのメリットは、以下の4つです。

  • 有機ELよりは価格が安い
  • サイズが豊富
  • 最大輝度が高い
  • 長時間同じ画面を表示できる

 一般的に広く普及している液晶デイスプレイは、有機ELディスプレイと比較して値段が手ごろな傾向にあります。さらに、小さいサイズから大きいサイズまで幅広いディスプレイが用意されているため、設置場所や用途に合わせて選択することが可能です。

 バックライトを使って発光する液晶ディスプレイは、有機ELディスプレイと比較して最大輝度が高くなっています。そのほか、液晶ディスプレイは「焼き付き」が発生しにくいため、同じ画面を長時間表示し続けることも可能です。

デメリット

 デメリットには、以下の3つが挙げられます。

  • ディスプレイが厚くなる
  • 黒色の表現が有機ELに劣る
  • 画面の応答時間が遅い

バックライトを要する液晶ディスプレイは、有機ELディスプレイと比べて製品自体が厚く、重くなります。また、黒色の発色が白味がかってしまう点もデメリットです。液晶ディスプレイでの黒色は、バックライトで照らした光を液晶がブラインドのように遮りながら表現するため、どうしても有機ELディスプレイには劣ってしまいます。

 さらに、液晶ディスプレイが光をコントロールする際は、電圧を流して液晶の向きを変えます。そのため、有機ELディスプレイに比べて応答時間がかかってしまう点もデメリットです。

有機EL(OLED)

有機EL(OLED)と液晶を徹底比較! 仕組みやメリットデメリットを解説
(画像=『BCN+R』より 引用)

 一般的な液晶ディスプレイは、後ろから光(バックライト)をあてることで映像を映す一方、ディスプレイが発光することで映像を映し出すのが、有機ELディスプレイです。液晶ディスプレイのようなバックライトが不要なため、非常に薄くて軽い形状です。

メリット

 有機ELディスプレイのメリットには、以下の3つが挙げられます。

  • 応答速度が速い
  • 視野角が広い
  • 画質が良い

 有機ELディスプレイの応答速度は非常に早く、電流を加えた瞬間に色や明るさを変化させることができます。ゲームやスポーツ観戦などで活躍する特徴といえます。

 また、視野角が広い点も特徴です。どの角度から見ても画面上の色の変化が少なく、快適に視聴できます。画質もクリアで黒色の発色に強く、深みのある黒色を再現可能です。どの角度からでもリアルな質感の美しい映像を楽しめるでしょう。

デメリット

 有機ELディスプレイのデメリットは、以下の2つです。

  • 高価(液晶ディスプレイに比べて)
  • 焼き付きが発生しやすい
  • 画寿命が短い

 有機ELディスプレイは液晶ほど普及はしていないため、どうしても価格が高くなってしまいます。また、焼き付きが発生しやすいこともデメリットでしょう。

 焼き付きとは、動画を見続けたり、ゲームをずっとやっていたりすると残像が出てしまう現象や画面全体の色が赤や黄色に焼けて見える現象のことです。発光している素子自体が劣化していくことにより、発生してしまいます。

 また、一般的に寿命が短いとされているのもデメリットの一つ。色素ごとに劣化の速さが異なるため、一部の色素が早く劣化し、全体の発光効率が下がることが原因です。