■デザインのこだわり、尋常じゃなかった
ロゴデザイン変更の歴史について、タイガー魔法瓶の担当者は「創業時のロゴマークは『強さ』をアピールするために勇ましいリアルな虎でした。そして1951年の2代目となるロゴマークの虎は、よりリアルさを強調するような、強さと迫力がパワーアップしたようなデザインとなりました」と説明する。
さらに「こちらの制作時には、創業者がトラのヒゲの本数や角度まで、画家さんに注文したそうです」と、驚きのエピソードが登場。
その後の変化については、「以降はイラスト調のトラへと変化していき、魔法瓶が一般家庭にも広く普及し、調理家電という毎日の暮らしにかかわる、親しみやすい製品群ということで、『強さ』を表すために使われたいかめしいマークから、老若男女に愛されるような『かわいらしい』トラのマークとなりました」と、語ってくれたのだ。
そして、多くのユーザーにとって馴染み深い現在のトラの顔になったのは、創立60周年を迎える1983年(昭和58年)のこと。
歴代で「最もかわいいトラ」になった経緯について、担当者からは「できるだけ優しい、ソフトな表現を目指して、数百点を超える候補の中から、若々しく、優しさのある表情のものを選びました。ネコ科の動物の特徴であるヒゲも除かれている、という思い切ったものでした」との回答が得られた。
現代の我々からすると「昔のロゴ、強すぎ!」という印象が強いが、当時のユーザーは反対に「新しいロゴ、かわいくなりすぎ!」という戸惑いがあったのだろうか…?