台湾有数のバナナの産地が台湾南部高雄市郊外に位置する「旗山」です。旗山は、郊外に位置しているため田畑が多く、街中とは違ったのどかな風景が広がっています。
お店や屋台が集まるにぎやかな旗山老街では、特産のバナナを使ったお菓子なども販売されているので、お土産も見つかります。高雄市内からバスで約1時間ほどでアクセスできる場所にあり、日帰り旅行も可能です。
今回は旗山地域のほかに、高雄市内でバナナの歴史に触れられるスポットもご紹介します。
目次
旗山について
旗山は鉄道の駅がありませんので、台湾新幹線「左營駅」または「高雄駅」からバスに乗って、バスターミナル「旗山轉運站」で下車します。
アクセス
台湾新幹線左營駅または高雄駅からバスでアクセスでき、約1時間で到着します。バスターミナル「旗山轉運站」で下車するのが便利です。高雄客運の「六龜」「甲仙」「美濃」行きのバスは旗山轉運站を経由するので、旗山轉運站の表示があればどれに乗っても行くことができます。
自然豊かな旗山は、土壌や水質のよさからサトウキビやバナナ産業で栄え、製糖工場のサトウキビ列車の駅「旗山車站」を中心に街は発展していきました。旗山のバナナは台湾でも知名度が高く、ここのバナナを使用したお菓子やスイーツなどがたくさん開発されています。
建物も魅力の「旗山老街」を歩こう
まずご紹介するのは、旗山の人気観光スポット「旗山老街」。旗山老街には、亭仔腳と呼ばれるアーチ型をしたアーケードのある建物やバロック式の装飾などの美しい建物が軒を連ねています。
また、小皿料理などのグルメの屋台がたくさん集まっていて、バナナケーキ、バナナエッグロールなどバナナを使ったお菓子を扱うお店もたくさん。ぶらぶらと歩きながら地元のグルメを味わったり、お土産探しにも最適な場所です。バナナも売られているので、その場で買って食べてみてください。
歩きながらグルメも建物も楽しんでください!
旗山老街
・住所:高雄市旗山區中山路
・電話:+886-7-6616100
・営業時間:14:00~20:00
・公式Facebook:旗山老街
かつての駅が展示館に「旗山車站-糖鐵故事館」
旗山轉運站から旗山老街を歩いていくと旗山車站が見えてきます。かつて製糖工場のサトウキビ列車の駅であった旗山車站は、現在旗山車站-糖鐵故事館という展示館となっています。
面積は広くなく、展示室も小さいので30分ほどで見てまわれます。入場料30元は販売品の購入に充当できます。
旗山車站-糖鐵故事館
・住所:高雄市旗山區中山路1號
・電話:+886-7-662-1228·
・営業時間:土日祝祭日10:00~19:00・平日10:00~18:00
・休館日:火曜日
・入館料:30元(2023年12月31日まで)
・公式Facebook:旗山車站-糖鐵故事館
旗山車站-糖鐵故事館から少し離れたところに製糖工場だった場所があります。製糖工場「旗山糖廠」は、もとの名を旗尾糖廠と言い、台湾製糖全盛期の42ある製糖工場の中でも最も重要な工場の1つでした。その砂糖は、ロンドンで行われた砂糖品評会で1位となるなど、品質はとても優れていました。
現在、この製糖工場は旗糖農創園區となり、休日にはいろいろなイベントが行われているので、お時間のある方は足を運んでみてくださいね。
旗糖農創園區
・住所:高雄市旗山區忠孝街33號
・電話:+886-7-662-2127
・営業時間:10:00~16:30
・公式サイト:旗糖農創園區
レトロな建物の昔ながらのアイス屋「常美冰店」
1945年におばあちゃんが始めたお店で、旗山の地元の人から愛されている毎日手作りにこだわる老舗のアイス屋です。目立たない古くて小さなお店でありながらも休日になると、遠方から続々と人が押し寄せます。
新鮮な食材を使用した台湾フルーツのアイスは、一度食べるともう一度食べたくなる味です。
お店のおすすめは「常美招牌冰(65元)」で、バナナオイルで作った「香蕉清冰」が1つ、小豆、タロイモ、ゼリー、仙草とミックスアイスが載っています。
暑い日に香蕉清冰を食べると、口の中ですーっと溶けて暑さもすーっと引いていくようで爽快な気分になります。
常美冰店
・住所:高雄市旗山區文中路99號
・電話:+886-7-661-2524·
・営業時間:9:30~18:00
・定休日:火曜日
・公式Facebook:常美冰店
その他の見所やグルメ
旗山天后宮
旗山の人々の信仰の中心の旗山天后宮は、清の時代の嘉慶年間に建てられました。閩南式の建築様式を保留している県指定古跡の1つです。主祀は媽祖で、木製の媽祖は全身可動となっています。
こちらの縁結びの神様月下老人のご利益があると名高く、多くの参拝者が訪れています。
旗山天后宮
・住所:高雄市旗山區永福街23巷16號
・電話:+886-7-661-2037·
・営業時間:5:30~22:00
・公式Facebook:旗山天后宮
日本時代の1934年に建てられた練武場「旗山武德殿」は、1994年の火災で一度修繕されましたが、ガラスの屋根は高温で使用できなくなり、2014年に第2回目の改修工事が行われ、ガラス屋根は取り除かれ、もとの黒い屋根から日本スタイルの屋根に変わりました。
現在は、芸術文化センター「旗山武德殿藝文中心」として、展示などに使用されています。
旗山武德殿
・住所:高雄市旗山區華中街、中正路口
・電話:+886-7-661-6100·
・営業時間:9:00~18:00
・公式サイト:旗山天后宮 高雄旅遊網
まとめ:市内で台湾バナナの歴史に触れられるスポット
旗山まではちょっと行く時間がない、という方のために、高雄市内でバナナの歴史に触れられる場所をご紹介します。
香蕉碼頭(バナナ埠頭)
1950年代には台湾から大量のバナナを日本へ輸出していました。バナナは旗山駅から高雄港へ運ばれ、当時のバナナの輸出はほとんど高雄の港からでした。
当初はバナナを保存する場所がなく、外に積み上げられていましたが、品質の向上とバナナの数量の増加に伴い、1963年に通風を考えて高雄港唯一の開放式倉庫として建てられたのが香蕉棚です。
バナナの輸出が減り、使われなくなりましたが、高雄市政府と民間企業により再生され、2010年に『香蕉碼頭』と名付けられました。かつてバナナ輸出用の専用倉庫だった建物は、現在団体客用の宴会場、お土産売り場、カフェ等に使われています。
公式サイト:香蕉碼頭v(交通部観光署)
この香蕉碼頭の倉庫の向かいには、2018年にオープンした人気のリノベスポット「棧貳庫KW2」があります。ガラス張りの倉庫から港の景色を眺められ、人気のレストランやショップも入っているのでぜひ立ち寄ってみてください!
KW2 棧貳庫
・住所:No. 17號, Penglai Rd, Gushan District, Kaohsiung ・City, 台湾 804
・電話:+88675318568
・営業時間:日~木曜 10:00~21:00 金・土曜 10:00~22:00
・公式サイト:棧貳庫KW2
台湾バナナの産地 旗山では、新鮮でおいしいバナナが売られているだけでなく、まだ熟れていない青いバナナも手に入ります。熟していない青いバナナは事前に植物検疫を受ければ、日本に持ち込むこともできます。
高雄市内からバスで約1時間、左營駅からはバスで約40分で到着する旗山、日帰りでも十分楽しめます。皆さんも台湾バナナとその歴史に触れる旅にでかけてみませんか。
【文・写真 原千里/提供元・たびこふれ】
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