しかし、よく冷静に考えてみたいもの。その政治家の何を知っているのか? 1つのちょっとした行為で全人格を断罪するのはかわいそうじゃないか? フェアではないのではないか? と考えてみていきたいものだ。
プライベートに近い場面でのちょっとした行為のミスをつつくのもいいが、広い視点で政治家たちをチェックしていきたいもの。それが「賢い有権者」であろう。
野党の立憲民主党の岡田幹事長は「写真を見ると、何をしに行ったのか、国民から疑問を持たれて仕方ないようなものもある」と批判し、国民民主党の玉木党首は「エッフェル塔で写真を撮り、アップするのは、政治家としてのセンスの問題」などと批判をしている。
僕が野党の人間ならこう答える「松川議員にも色々事情があったので本人から話を聞かないとわからない。久々の海外で友達と一緒で浮かれてしまったのだろうが、誰だって自分の憧れの場所にいったらそうなるもの。それより大切なのは日本のジェンダー・ギャップ指数が116位と低いことについての見解。帰国後、15位のフランスの政策から何を学んできたのか、どのように政策に反映させていくのか、工夫するのか、SNSの活用方法を聞いてみたい」と。
「しょうもない」場面の「しょうもない」批判を言いあっても意味がない。大事なのは、振舞いよりも仕事の中身なのだ
政治家をチェックする視点を変えよう僕たちが政治家をチェックすべきは仕事の中身であり、その質であるべきではないだろうか。政治家の目立つ言動、話題になったごく一瞬の行為で政治家を評価してしまい、「この人はこういう人」というラベリング・レッテル貼りをしてしまうと、政治的な成果は出さないが巧みな言葉で自己アピールしたりする中身のない政治家、風見鶏のように空気を読み出世や地位ばかりを狙う政治家をのさばらせてしまう可能性がある。
代議士は主権者である国民の代理人であるにも関わらず、利害関係者への利益誘導にしか熱心に行動しないとか、国民から広く聞こうともせず偉ぶった態度を示したりとか、話を聞いた振りをして対話すらする気がないとか、いち国民からメールを受けても返事すらしないとか、そんな政治家の方がよっぽど問題であろう(実際のところ、たくさん存在する)。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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