消費者からみたコスパ感を重視
セブンは割安な「うれしい値!」商品を拡充させるのに加え、従来の価格水準を据え置いたまま量が多い商品を相次いで投入している。今月29日、通常の「おむすび」より重量が約2倍、ご飯量が約1.5倍の「どーんとおむすび」シリーズを発売。直火で焼き上げたソーセージとオムレツに照焼タレとガーリックマヨネーズを添えた「どーんとおむすびポークたまご」(321円)、海苔弁当をイメージして白身フライ、ちくわ磯部揚げ、タルタルソースを入れた「どーんとおむすび のり弁」(270円)など、ボリューム満点の商品となっている。
このほか、今月22日には熱量が1000kcal超となる1116kcalの「ぎっしりおかずの和風弁当」(626.40円)を発売。ご飯に白身魚フライ、ちくわ磯辺天、唐揚げ、スパゲティが文字通り「ぎっしり」入った弁当で、一部SNS上では好評の声が続出している。
「セブンは同業のファミマとローソンに加え、コンビニより割安な価格の商品群を揃え、かつ総菜類のクオリティを近年上昇させているスーパーマーケットとも競合しており、そのなかで客に『セブンの商品は付加価値が高い』と認識してもらい足を自店舗に向けてもらう必要があります。そのための施策として力を入れている取り組みの一つが店内調理の食品で、昨年には『お店で揚げたカレーパン』、今年にはピザ、『お店で揚げたドーナツ』を相次いで投入し、9月には現在一部店舗で販売中の店内焼きたてパン『セブンカフェ ベーカリー』の取り扱いを全国3000店舗に拡大すると発表しました。
そしてもう一つの施策が、内容量が大きくお得感のある総菜類ということだと考えられます。
また、大きな背景としては、セブン&アイHDは現在、カナダのコンビニエンスストア大手アリマンタシォン・クシュタール(ACT)から買収提案を受けており、事実上の買収防衛策としてGMS(総合スーパー)のイトーヨーカ堂や食品スーパー・ヨークベニマルなどを連結子会社から外す方針を示しており、これまで以上にコンビニ事業依存が高まります。そのため、コンビニ事業を絶対的な利益の源泉としていく必要に迫られており、業界王者のセブンも消費者からみたコスパ感、お得感を重視した商品に注力せざるを得なくなっています。そしてセブンが今の高いクオリティを維持したまま量も多めの商品を多数投入していけば、ある意味ではコンビニ業界では最強といえるかもしれません」(コンビニ業界関係者)
(文=Business Journal編集部)
提供元・Business Journal
【関連記事】
・初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
・地元住民も疑問…西八王子、本当に住みやすい街1位の謎 家賃も葛飾区と同程度
・有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
・現役東大生に聞いた「受験直前の過ごし方」…勉強法、体調管理、メンタル管理
・積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?