国立競技場 写真:Getty Images

 11月16日、全国高校サッカー選手権大会の東京都大会のAブロック決勝が駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場で行われ、帝京高校は国学院久我山高校と対戦。2-1で勝利し、15年ぶりの選手権全国大会への切符を掴んだ。藤倉寛監督は就任1年目ながら全国高等学校総合体育大会(インターハイ)と合わせ、都大会2冠を達成。そんな中、カナリア軍団と呼ばれる超名門校帝京の選手獲得の裏側が明らかとなった。

 帝京の選手権大会の登録メンバー30人のうち、20人がJリーグの下部組織出身の選手で構成されている。決勝ではベンチから外れたものの、準決勝(東京実業戦)で2ゴールを決めたMF堀江真広(浦和レッズジュニアユース)や、決勝でPKを決めチームを全国に導いたMF土屋裕豊もその1人だ。また、U-18日本代表にも選出されているDF田所莉旺は、川崎フロンターレU-18を退団し、2年時に帝京に転入していきている。

 関係者によると、帝京は2024年3月まで同校を指揮した日比威氏が監督に就任した2015年以降あたりから、Jリーグの下部組織出身選手を中心に獲得しているという。そのため、Jリーグのアカデミーから多くの選手が入部しているのは意図的とのこと。

 また、Jリーグ下部組織出身以外の選手もFC多摩(2023年度に行われた第38回日本クラブユースサッカー選手権大会で優勝)やFC LAVIDA(昌平高校の下部組織で関東リーグ所属)など、強豪街クラブから選手を獲得している。中学の部活出身選手は非常に少ないようだ。

 また、2020年に国際サッカー連盟(FIFA)の18歳未満の選手の移籍を原則として禁止するルールを定める前はブラジルなどから留学生のスカウトも積極的に行っており、監督が直接声をかけることもあったという。

 同校サッカー部に在籍している110名の部員は原則としてアスリートコースに所属。スカウティングや練習会で目に留まったり、繋がりのあるクラブの指導者からの推薦など、監督に実力認められた選手達だ。なお、2012年度までは、帝京FCという中学生年代のジュニアユースクラブを保有していたが、同クラブは現在STFCに名将を変更し、東京都清瀬市で活動している。関係性は悪くないようだが、現在は提携関係などはない。