中国代表 写真:Getty Images

 AFC(アジアサッカー連盟)は11月19日のFIFAワールドカップ北中米大会アジア最終予選・中国代表vs日本代表で、ムハンマド・タキ氏が主審を担当すると公式発表。過去の国際大会でMF田中碧(リーズ・ユナイテッド)へのレッドカード提示等で注目を集めた人物だが、中国側は同氏の担当を前向きに捉えているようだ。

 現在38歳のタキ氏は、2018年のロシアW杯以降、日本代表戦で4度主審を担当。このうち、2020年1月に行われたAFC U23選手権(東京五輪アジア最終予選)のグループステージ第3節・日本vsカタールでは、前半終了間際に田中が相手選手と接触。当初ノーファウルの判定だったが、VAR(ビデオアシスタントレフェリー)の介入、OFR(オンフィールドレビュー)実施を経て一発退場となった。

 後半にはMF齊藤未月(現ヴィッセル神戸)の足にかかる形で、相手選手がペナルティエリアで転倒。タキ主審はカタールにPKを与えたが、VARが介入。しかしOFRが行われず、判定が変わらなかったことにより、日本のサッカーファンから疑問の声が湧き起こっていた。

 2023年11月の北中米W杯アジア2次予選・日本vsミャンマーでも主審を務めるなど、以前から日本と縁のあるタキ氏。2024年10月23日のAFCチャンピオンズエリート(ACLE)上海申花vs川崎フロンターレでは、前半5分に川崎所属FWマルシーニョに対してレッドカードを提示している。

 なお中国メディア『捜狐』は15日、中国1部リーグで主審を担当したタキ氏の実績を紹介。その上で「タキ氏は判定の公平性を担保する人物だ。彼のジャッジを通じて、我々中国は国際大会の判定基準に慣れている」などと、中国有利との意見を前面に押し出している。