ロシアの裁判所は、新生児の息子を衰弱死させたとして、ライフスタイルブロガーのマキシム・リュティ被告の禁錮刑を8年から10年に延長した。リュティ被告は「ブレサリアン」という、人間は太陽光のみで栄養を摂取できるとする食事法を実践。生後1ヶ月にも満たない息子コスモス君に母乳を与えず、太陽光に当てるだけで育てようとした結果、コスモス君は衰弱死した。この事件は行き過ぎた代替医療の危険性を改めて浮き彫りにした。
過激な育児と「ブレサリアン」
コスモス君は生後1ヶ月にも満たないうちに、「肺炎と衰弱」により死亡した。体重はわずか1.6kgほどだったという。検察はより厳しい判決を求め、リュティ被告には約5300レアルの罰金も科せられた。母親のオクサナ・ミロノヴァ被告には、執行猶予付きの2年間の強制労働が言い渡された。
ニュースサイト「Mash」によると、リュティ被告はコスモス君に過激な育児を実践していた。数日間母親から引き離したり、冷水に浸けたりして、赤ん坊を「強く」しようとしていたという。「小さな体は虐待に耐えられず、衰弱し呼吸困難に陥った」とMashは報じている。コスモス君の容態が悪化しても、リュティ被告は医療機関を受診させなかった。
リュティ被告は、人間は太陽光だけで生きられるという「ブレサリアン」と呼ばれる食事法を実践していた。彼はミロノヴァ被告にコスモス君への授乳を禁じ、太陽光に当てることで栄養を与えようとしていた。「彼は子供で実験をしたかった。太陽光だけで育てて、他の人々に『これが正しい食事法だ』と宣伝したかったのだ」と事件関係者は語っている。
ミロノヴァ被告の母親であるガリナさんは、リュティ被告の影響を「カルト的」だと表現し、「娘があのカルト集団にいることに反対だった。リュティ被告はおかしいと娘に言ったが、彼女は聞き入れなかった」と述べている。彼女は娘が次第に孤立し、リュティ被告の支配下で「モルモットのように」扱われていたと付け加えた。
家族によると、ミロノヴァ被告はリュティ被告を恐れており、何度も彼から離れようとしていたという。「彼女は何度も彼から離れようとしたが、彼はそれを許さなかった。彼は(息子を)太陽光だけで生きる男に育てたかった」と親族は明かしている。
裁判中、リュティ被告は当初、ミロノヴァ被告の鉄分不足がコスモス君の死因だと主張していたが、後に罪を認めた。皮肉なことに、菜食主義者であると公言していたリュティ被告は、拘留中に肉を食べていたことが発覚した。
この事件は、過激な食事法の危険性、特に脆弱な乳幼児への影響を浮き彫りにした。リュティ被告は、コスモス君を死に至らしめたとして、長期の禁錮刑に服することになった。
太陽の光で育てようとした息子は永遠の闇へと消え、父親は暗い鉄格子の向こうで10年の歳月を重ねることになった。
文=深森慎太郎
提供元・TOCANA
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