米国議会は11月13日、未確認異常現象(UAP)に関する重要な公聴会を開催した。この公聴会は下院監視委員会が主導し、サウスカロライナ州選出の共和党議員ナンシー・メイスが議長を務めた。この公聴会は昨年の公聴会に続く2度目の正式な会合であり、UAPに関する透明性を求める動きが加速する中での開催となった。
公聴会の目的は、米国政府の歴史的および現在進行中のUAPへの関与についてさらなる情報を明らかにすることであった。このテーマは近年、国民やメディアの関心を集めている。公聴会では軍事関係者や専門家から衝撃的な証言が相次ぎ、政府の透明性と国家安全保障の観点から重要な問題提起がなされた。
政府の透明性を問う声
冒頭の声明でメイス議員は、議論される情報の機密性に触れ、「この情報の一部は、米国連邦政府内の有力な人物や機関にとって好ましくない内容を含む」と述べた。さらに、UAPに関連する政府プログラム、地球外生命体との接触の可能性、または非人間起源の先進技術について、納税者が透明性を求める権利を持つことを強調した。
さらにメイス議員は、「隠すべきことがないのであれば、何にお金を使っているのか。もし本当に大した問題ではないなら、なぜこれほど秘密主義なのか」と問いかけた。この発言は政府のUAP対応に対する国民の疑問を代弁するものだった。
また、公聴会では国防総省の「全領域異常解決局(AARO)」の役割についても議論された。この機関は未確認航空現象の調査を目的に設立されたが、メイス議員はAAROが「その役割を十分に果たせていない」と指摘。2024年3月に公開予定のAAROの報告書についても批判が集まり、1945年以降の公式調査をまとめたこの報告書には、「地球外技術」の証拠がないと結論付けられている。
さらに、AARO内部の混乱や透明性の欠如についても問題視された。一部の議員は、AAROが政府間での情報共有に苦慮しており、その結果として重要なデータが隠蔽されている可能性があると述べた。