“車椅子の天才物理学者”こと故スティーブン・ホーキング博士の“予言”は的中してしまうのか――。ホーキング博士は将来の地球が「巨大な火の玉」になると話していたのだ。

■故ホーキング博士「地球は巨大な火の玉になる」

 物理学界で最も優れた頭脳の1人である故スティーブン・ホーキング博士(1942-2018)は、地球の将来についての率直な警告を人類に残し、今も科学的議論を引き起こしている。晩年の2017年、「テンセントWEサミット」で今後の人類の軌跡の詳細な分析を発表した。

「この急激な成長は次の千年紀まで続くことはできないでしょう。2600年までに、世界の人口は肩を寄せてひしめき合い、電力消費により地球は赤く光るでしょう」(ホーキング博士)

 ホーキング博士は今から約600年後の2600年までに、地球の人口増加とエネルギー消費パターンが壊滅的な結果をもたらす可能性があると予測した。

 この予測の背後にある計算は、世界人口が約40年ごとに2倍になっていることで、この成長率とエネルギー需要の増大を組み合わせると、彼は地球の将来の姿を「巨大な火の玉」と表現したのである。

 2016年の「BBC」のインタビューで、ホーキング博士は将来の地球についての懸念について詳しく語っている。

「ある年に地球に災害が起こる可能性は非常に低いかもしれないが、それは時間の経過とともに増加し、次の千年か1万年にはほぼ確実になります」(ホーキング博士)

 ホーキング博士は地球の劣化につながる可能性のある主要な要因として、地球温暖化、気候変動、温室効果など、人類文明に対するいくつかの具体的な脅威を特定した。

 環境への懸念に加えて、ホーキング博士は人類に対する他の潜在的な生存上の脅威も強調し、下記の3つの主要リスクを指摘した。

●核戦争
●人工知能の発展
●世界的パンデミック

 核戦争については改めて言うまでもないが、AI(人工知能)の危険性について生前にホーキング博士がよく指摘していたことが知られている。そしてパンデミックに関するホーキング博士の警告は、その後のコロナ禍によって“的中”し、先見の明が証明された格好となった。

 ホーキング博士の予測は、人口増加、資源消費、技術開発の現在の傾向に関する数学的予測と科学的観察に基づいていた。これらの計算は、人間の行動と資源管理に大きな変化がなければ、人類文明を維持する地球の能力が今後数世紀で大きく損なわれる可能性があることを示唆している。

 理論物理学者としての研究の傍ら、社会に対してさまざまな提言と警告を発してきたホーキング博士の“遺言”の数々に折に触れて耳を傾けてみるべきなのだろう。

文=仲田しんじ

提供元・TOCANA

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