2020年大統領選の結果を覆そうとトランプ弁護団を率いたジュリアーニ氏は、ジョージア州の選挙職員から名誉毀損で訴えられているほか、投票システム企業2社と泥沼の裁判を展開している。

選挙以外のトラブルもある。昨年、2019年に離婚が成立した3番目の妻ジュディス氏が、ジュリアーニ氏は離婚調停の条件に基づく金額の支払いをせず、法廷侮辱にあたるとして、ニューヨーク州の裁判所に訴えた。今年5月には、性的関係を強要されたと主張する元従業員の女性が損害賠償を求める訴訟を提起している。

ジャック・スミス特別検察官が率いる捜査では、起訴されていないものの、ジュリアーニ氏は大統領選の結果を不当に覆そうとしたトランプ氏の共謀者とされており、今後の捜査の発展が注目されている。

収入を得ようにも、ニューヨークと首都ワシントンで弁護士ライセンスを停止されるなど、厳しい現実に直面している。

ジュリアーニ氏は5月、ジョージア州の選挙職員の裁判で、2021年4月にFBIにすべての電子機器を押収されたことが原因で、過去のデータのホスティングや検索にかかる費用320,000ドルを滞納していると明かした。「現時点ではこの金額を支払う資金がない」と説明。原告側が要求した追加のファイルを検索するのにさらなる費用がかかると窮状を訴えていた。

同裁判では、7月25日までに89,000ドルを原告に支払うよう命じられているが、まだ支払われていない。原告側はさらに、追加で44,000ドルの訴訟費用の支払いを命じるよう裁判所に求めているという。

なお、データのホスティングについてはトランプ氏からの支援の取り付けに成功したとみられ、トランプ氏の特別政治活動委員会から、5月末にデータをアーカイブする企業Trustpoint Oneに34万ドルが支払われたことが判明している。

CNBCが、ジュリアーニ氏の長年の盟友バーナード・ケリック氏の弁護士の話などをもとに伝えたところでは、選挙後の活動について、トランプ氏はジュリアーニ氏に報酬を約束したが、旅費以外に支払われることはなかったという。

関係者の証言から、ジュリアーニ氏は当時、トランプ氏に1日2万ドルの報酬を要求していたとされている。

ジュリアーニ氏は、そんな窮地にあっても後退するそぶりを見せず、ジョージア州の刑事訴追の一報を受けると「今朝、ここ何週間かぶりに目覚めるのにワクワクした」と述べ、「ファシストを負かしてやるつもりだ」などと威勢よく語っていた。