コロナ禍が明けたこともあり、2023年になってからバイク事故が増加傾向にあります。
バイクブームが起こり始めたころ免許を取得したライダーの中には、運転に慣れを感じ初心者から中級者、そして上級者へとステップアップしていく頃ではないでしょうか。
バイクの死亡事故が多く報道される昨今、同じライダーとして痛ましい気持ちになります。

「標識」と「標示」の違い

標識や標示は道路情報を未然に運転者に知らせるためのものですが、私たちライダーはバランスをとりながら運転するため視点が前方に集中しやすくなります。

さらにヘルメットを装着しているため視界は狭くなる傾向になり、加えてツーリング中は高揚感や開放感を感じるため道路情報を示している「標識」「標示」を見落としやすい環境に置かれていることを自覚しなければいけません。

標識

「標識」とは、道路わきなどに建てられた情報板で「規制標識」「指示標識」「警戒標識」「案内標識」があり、この4つの標識を「本標識」といいます。また、本標識の下につけられている長細い情報板を「補助標識」といい、本標識に意味を付けくわえる標識になります。

標示

「標示」とは、道路面にペイントや道路びょう(キャッツアイ等)によるものをいいます。

「警戒標識」とは

 黄色と黒色で描かれた標識で「この先、警戒してくださいね」という意味になります。二輪車事故統計の死亡事故原因をみると「単独事故」が最も多く、事前にカーブ形状や道路情報を把握しておくことで防げるのではないかと考えます。バイクによる事故を予防するために、黄色と黒の「警戒標識」を見落とさないことが重要なのです。

知っていれば事故から遠ざかる警戒標識 5選

1.「道路交差点あり」

 これは前方にT字路があることを告げる標識ですが、他にも十字路やY字路、複雑交差点等の表記があります。ツーリングは山岳地帯、海岸線等の都市郊外のルートを選ぶことが多いかもしれませんが、地元住民の生活道路を兼ねているため、交通量が少ないからとはいえ油断は禁物。交通事故発生場所として広く認識されている「交差点」を見落とさないようにしましょう。

2.「屈折・屈曲あり」

 意外と甘く見がちな「この先急カーブ」。実際に走ってみると急カーブとは言えないカーブだったりすることもありますが、それが油断するポイントになっているかもしれません。走る地域が異なれば、路面状況は大きく異なります。本当の急カーブに対応するためにも、見逃してほしくない標識の一つ。

3.「つづら折れあり」

 山岳地帯を走行していると頻繁に見かけるかもしれません。バイクの場合、峠や山道は、ついスロットルをひねりたくなるもしれません。現在、全国的に災害対策等を目的とした「国土強靭化計画」が政府により進められています。ただし開発途中の道路が多く、整備された快走路を走行していると、まだ整備されていない道路区間が突然現れることがあります。この場合、道路が屈曲、屈折、あるいはつづら折れになっていることを予告する警戒標識が設けられていることがあります。標識を見落とすと、カーブでのオーバーランにより対向車線へはみ出してしまうこともあるので、十分気を付けましょう。

国土強靭化 内閣官房ホームページ