山下良美審判員 写真:Getty Images

 明治安田生命J1リーグ第32節のアルビレックス新潟対FC東京が、今月11日にデンカビッグスワンスタジアムで開催。この一戦では、山下良美主審による試合終了の合図が話題を呼んでいるが、元国際審判員の家本政明氏が自身の見解を述べている。

 この試合では、終了直前に新潟がコーナーキック(CK)を獲得。FC東京の選手がCKのボールをニアサイドで弾き返して新潟側がセカンドボールを回収した瞬間、山下主審はホイッスルを2回吹いて、右手を挙げたが、日本ではあまり見ない試合終了の合図だっただけに、スタジアム全体から戸惑いの声が沸き起こっていた。

 この事象は、DAZN制作番組『Jリーグジャッジリプレイ』でも話題に。家本氏は当時の状況について「CKの前に、VAR担当からは『どのタイミングで試合を終わらせてもいい』と伝えているはず。でもCKが蹴られたので、(VAR担当は)退場やPKの可能性を確認する」

 「ただ今回は特にそのようなシーンもなかったので、基本的に試合を終わる前提でいてVAR担当が確認するので、主審としては『ここで試合を終わらせますね』という意思表示をした。VARは『すべてOK』と主審に伝えたという流れ」と説明する。

 その上で「右手を挙げる仕草が、間接フリーキックなど違うメッセージを発してしまう可能性がある。このような試合の終わり方は日本ではあまり見ないし、認知されていない。皆が大きなハテナを持ってしまったので、もう少し工夫しても良かった気がする」と提言した上で、「ただ海外では時々見る終わり方」と一定の理解を示す。

 また家本氏は「0-0という展開で、(セカンドボールを回収した)新潟がチャンスだったので、もうワンプレーやるという方法は考え方のひとつとしてある」と提言。

 日本代表OBで解説者の水沼貴史氏から「試合終了の合図で2回吹く審判と3回吹く審判がいるのは?」と質問されると「笛の吹き方は明確に決まっていない。自分なりの表現であり、自己主張」と答えている。