■6人に臓器提供
メレクさんは医師らによる懸命な治療を受けるも、意識が戻ることはなかった。その状態を鑑みた医師に臓器提供を勧められた家族は最終的に承諾し、メレクさんの臓器は2時間で6人の患者に提供された。そのうちの1人は、一刻を争う臓器移植救急患者だったという。
父親のビューレントさんは「娘の髪の毛1本でも傷つけたくない」という気持ちから、最初は臓器提供に同意しなかった。しかし医師が臓器を緊急に必要としている子供を救えることを説明すると、「娘を一人亡くしたが、6人の子供に命を与えられる」と考えを変えたそうだ。
トルコ共和国では、現在約3万人の患者が臓器や組織の移植を待っているが、提供は非常に少ないのだという。