1972年に発行された作家五島勉の著作『ノストラダムスの大予言』が70年代から90年代にかけて与えた影響は凄まじいものであった。多くの日本人が1999年の人類滅亡を刷り込まれ、80年代の新宗教にも少なくない影響を与えたと言われるほどに社会現象となった。だが、1999年が過ぎ2000年となって以降、ノストラダムスの予言はまるで嘘だったかのように鳴りを潜めるこ ととなった。
21世紀となり、ノストラダムスの予言と入れ替わるようにして登場したのが「2012年地球終末説」と呼ばれる新たな予言であった。このきっかけとなったのは、古代にメキシコ南部などを中心に栄えたマヤ文明の、古代マヤ族が用いたという「マヤ暦」における予言である。マヤ暦は、数学や時間の記録に長けた彼らの手によって作られた暦法である。紀元前5世紀ごろから使用されていたと考えられており、その中の長期暦と呼ばれるものが発端となった。
マヤ文明の長期暦は、約5125年周期で設定され紀元前3114年からスタートしている。約400年を「1バクトゥン」と数え、2012年12月21日に13バクトゥンが終了するのだが、その後に次のバクトゥンへ進んでいないというのである。このことから、2012年12月21日時点が完結すなわち世界の終わりと解釈され、「マヤの予言」として広まることとなったのだ。 そもそもこの予言については、1957年に天文学者モード・ウースター・メイクムソンによって初めて言及されたと言われており、21世紀になり映画など多くの媒体を通して強く広まることとなった。
神秘主義者たち数千人がメキシコに集結したり、フランスでは山に埋まっているUFOが終末の日に人類を救うとの流言が広まったりするなど、世界的に影響を与えた。また、このほか惑星ニビルの接近、水晶ドクロといったものが、マヤの予言における2012年の滅亡説に関連付けられて語られることも多く見受けられることとなった。
さて2012年、結局のところ地球が滅亡することはなく、ノストラダムスの予言同様マヤの予言も過去のものとなった。計算の誤差があったとして年代が2020年へ先延ばしにされたこともあるが、これも同様にとうに過ぎてしまった。しかし、滅亡予言と呼ばれるものはまだまだ多く存在し、2039年のヒトラーの究極予言、2044年のピラミッドの予言、2060年のニュートンの予言、そしてブルガリアの予言者と呼ばれたババ・ ヴァンガに至っては5097年というものがあり、滅亡予言はスケジュールのごとく組まれている。
現在では、未来人と呼ばれる者たちの登場(演出?)によって、個々の情勢の展開を指し示す予言も多く散見されており、われわれは想像以上に予言の中で生活しているのだと気づかされる。少なくとも、滅亡予言が大々的に社会へ何らかの影響を与えることは過去の事例でも明らかだ。今後、新たな滅亡予言が息を吹き返してきた時、不用意に踊らされぬよう自分自身がいかに思考し行動すべきか備えておくのも良いだろう。
【参考記事・文献】
・マヤ歴が予言する世界の終わりは2012年ではなく2020年だ ったとする新説が登場、果たして本当なのか?
・2012年終末説、マヤ暦の予言を探る
・迫る“終末”、マヤ暦の真の予言とは
【文 黒蠍けいすけ】
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提供元・TOCANA
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