森保一監督 写真:Getty Images

 サッカー日本代表の森保一監督は10月にカナダ戦(新潟:デンガビッグスワンスタジアム)とチュニジア戦(神戸:ノエビアスタジアム神戸)を控える中、今月末に欧州視察を終えて帰国。日本代表のドイツ戦白星をきっかけに“日韓比較論”が沸き起こった韓国では、森保監督と同国代表率いるユルゲン・クリンスマン監督の仕事ぶりが対照的だと話題になっている。

 カタールW杯ベスト16の韓国は今年2月のクリンスマン監督就任以降、国際親善試合6試合で1勝3分2敗。今月9日に日本代表がドイツ戦で4-1と勝利すると、『朝鮮日報』をはじめ複数の韓国メディアが「日韓サッカーの差がさらに広がった」と報じている。

 またクリンスマン監督は韓国国内に常駐せず、アメリカで在宅勤務。くわえて代表メンバー発表で記者会見を実施せず、報道資料を配布にとどめた対応により、批判を浴びている。

 韓国メディア『MKスポーツ』は森保監督の仕事ぶりについて「森保監督はトルコ戦で勝利した後、2週間もヨーロッパに留まった。しかしクリンスマン監督と違って『フルタイム契約を結んだ人として、目的が不明確な海外滞在だ』という批判を浴びることはない」と綴るなど、自国代表監督と比較。

 日本代表指揮官がスペイン、オランダ、オーストリア、イギリス、イタリア、フランス、ベルギー、ドイツと8か国を訪問したことや、MF伊藤涼太郎(シント=トロイデンVV)やMF奥抜侃志(ニュルンベルク)などA代表選出歴のない選手のパフォーマンスをチェックしたことを紹介している。

 一方でクリンスマン監督については「彼は代表チームとともに9月14日に帰国した。ただ国内リーグ2試合を現場視察した後、1週間も経たないうちに自宅のある米国ロサンゼルスへ戻った」

 「指揮官は今月、英国での2連戦(ウェールズ戦、サウジアラビア戦)を終えた後、欧州にとどまる予定だった。『韓国常駐という大韓サッカー協会(KFA)との約束を破った』という批判が沸き起こると日程を変更したが、それでも韓国の滞在期間は長くはなかった」と酷評した。

 またクリンスマン監督は先日、韓国メディア『スポーツ挑戦』のインタビューで「韓国だけに滞在するのは効率が悪い。ソウルで何もすることがない時は、ヨーロッパにいればいい。これが韓国サッカーを発展させる唯一のやり方なんだ。それが嫌なら、私のクビを切って別の監督を探せばいいだけ。(周囲からの批判は)気にしない」と、在宅勤務や欧州視察にこだわる理由を告白。

 『MKスポーツ』は「『新しい文化に触れたい』という就任記者会見当時の好奇心は、『私のやり方が気に入らなければ、他の指導者を見つければいい』という言葉に変わった」と暗に批判している。