むしろ日本国民がそのことを実感できるが故に、野党がギャーギャー騒いでいるのだ。野党が騒ぐことは中国も同様に騒ぐ。彼らはある種、一蓮托生で自民党政治が大嫌いなので、騒ぐのである。このあたりを踏まえて、外交や安全保障問題を見ていくと、日本政府の立ち位置が鮮明となるだろう。
アメリカはウクライナとイスラエルの二正面状態の中、対中戦略、対北朝鮮戦略の上で日本と韓国を重視している。安倍元総理がインド太平洋の安全保障という概念を打ち出したことで、AUKUSが生まれたと言ってもいい。つまり、安倍元総理は太平洋の安全保障の在り方を変えた。ここが、歴史の大きな転換点だった。
岸田総理は、その安倍元総理が作り上げた新たな安全保障の枠組みを継承している。その上で、今回の訪米における岸田総理のスピーチを読む時、アメリカとの関係性に重要な指針を示していると言っていいだろう。岸田総理は、来るアメリカ大統領選を見据えている。共和党にも民主党にもいい顔をしただけだと酷評する前に、その中身を読み解けば、ある種の周到さも感じるのだ。中国の近隣諸国への武力と経済力を背景にした圧力を、むしろ逆に利用しているとも言える。
米国連邦議会上下両院合同会議における岸田内閣総理大臣演説
もちろん、今の自民党への逆風がある中で、同盟国アメリカでのスピーチの内容は、解散総選挙や自民党総裁選を控えながら果たしてどこまで踏み込むべきか?との疑問はある。あるのだが、少なくとも、岸田総理自身は解散総選挙のキャスティングボードを握っているのは確かであって、つまり、今の時点で仮に解散しても野党に勝ち目は無いことも見越しているし、有権者目線で見ても、今の野党に対して自民党に成り代わって政権担当能力があるなどとはとても思えない。
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以後、
・岸田総理の勝ち戦?
続きはnoteにて(倉沢良弦の「ニュースの裏側」)。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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