それでも小池氏の神通力が通用しなくなったとなれば東京15区から補選で国政に出て、一気に首相の座を狙うというとんでも大作戦というオプションは難しいと判断したのでしょう。そこで乙武氏だったのです。乙武氏の出馬は確かにインパクトがあったのです。ただ、思った以上にすそ野が広がらなかったのです。これは想定外でした。
いずれにせよ、今日これを書いている時点で選挙予想は極めて難しいと申し上げてよいでしょう。先週トップを独走していた酒井菜摘氏は一週間ほど前の公開討論会で候補者で唯一多忙を理由に欠席しました。選挙候補者でこれほど重要なイベントにおいてそれ以上の多忙は基本的にないはずで意図的に出なかったのでしょう。それは「酒井叩き」が行われることが目に見えていたからです。
大声で他候補者にプレッシャーをかけ続ける根本良輔候補が酒井陣営に近づいているとの情報で路上演説を止めてしまうほど神経過敏の方は先行逃げ切りをしたとしても論戦出来ないような政治家が正しいかは疑問ですね。一方で自民党の支持票が維新候補者と日本保守党の候補者に票割れしている状況で団子戦というかモグラたたきの様相であります。
私がみた東京15区の選挙は無秩序。かつて北アフリカの春で独裁政権が倒され、民主主義万歳と叫んだもののその後、ほとんどの国で国政が安定せず、往生したのと同じで今回の選挙では好き勝手やり放題の野放図状態を見たということです。自民党がいなくなるとこのような状況に陥るという政治後進国を改めて示した点で少なくとも私には大変勉強になっております。
政治も見る角度を変えると全く違う色のピクチャーが見えてくるものですね。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年4月24日の記事より転載させていただきました。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
【関連記事】
・「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
・大人の発達障害検査をしに行った時の話
・反原発国はオーストリアに続け?
・SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
・強迫的に縁起をかついではいませんか?