日本人は政治家に対する期待感は第三者的であり、自分たちの代表という意識は薄いと思います。言い換えれば政治と日々の生活を切り離しても一定の満足がある、だからデモもストライキも起きないのです。小池百合子氏が大きな改革をしない東京都で鎮座し続けるのと近いものがあると考えています。こうなると外交手腕のあるなしが首相の器の一つの決め手になるかもしれません。
自民党への期待感は薄れていると思います。まだ君臨しているのか、ぐらいの感覚です。何度も繰り返しますが自民党は割ればよかったのです。ところが古い世代にはその意味するところが理解できないし「お前はバカか?」というスタンスです。ですが自民党はバブル崩壊の90年代初頭で実質的な役割は終えていたと考えています。具体的には金丸信元副総裁が逮捕された93年が一つの終わりの象徴だったと思います。
国民との対話上手という点では岸田氏は悪くなかったと思います。一部ではそれを酷評する人もいるようですが、岸田氏は他の首相経験者と違い、威圧感がなかったのです。例えば菅氏は人のよさそうな感じがしますが、腹黒さで誰もそばに寄りたくなかったと思います。岸田氏は貫禄がなかったとも言えますが、話しやすさ、国民がアプローチしやすい点は継承されるべきでしょう。
内政と外交ですが、内政は既存の組織と壁があるのです。閣僚と官僚、更に野党と国民が取り巻くがんじがらめの世界であります。現在の首相候補者に壁を打ち砕ける人材はいないので逆に党内での人徳と人脈がある人がよりスムーズな政権運営をすることができるでしょう。
最後、アメリカの新大統領とタッグマッチを組み、習近平氏から小僧扱いされない貫禄となるとさて、難しいですね。求めすぎかもしれません。
自民党総裁選挙は党員、党友、及び議員票ですので世論とは次元が違うところで決まります。議員票を集めやすいのは茂木さん。ただ、党員党友では人気がありません。高市さん、石破さん、河野さんはその真逆。かなり根拠薄ですが、今、答えろ、と言われればえぇッと驚かれるかもしれませんが、石破氏と茂木氏の決戦になるような気がします。高市さんを推す声があるのは知っていますが、私には過大評価の気がします。首相として重圧に耐えられるでしょうか?