ヘイトクライム急増

ニューヨーク市では、ハマス・イスラエル紛争の勃発後、イスラム教徒とユダヤ教徒に対するヘイトクライムが急増している。

市内で10月に報告されたヘイトクライム全体の発生件数は、前年同月比で124%増加した。このうち、ユダヤ教徒に対する犯罪は69件で214%増加(昨年同時期は22件)、イスラム教徒への犯罪は8件(昨年は0件)報告されている。

今月7日には、ブルックリンのクラウンハイツで正統派ユダヤ教の服装をしていた男性が暴行を受けた。犯人はユダヤ人差別的な言葉を発し、所持品を奪い逃走した。警察はヘイトクライムの容疑で捜査を進めている。

5日には、タイムズスクエアで「ハマスの音楽」を流し、イスラエル人の旅行客に差別的な言葉を浴びせ暴行を加えた男が、ヘイトクライムの暴行罪で逮捕・起訴された

ニューヨーク州北部オーバニーでは7日、28歳の男がシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝堂)付近で発砲する事件があった。捜査当局によると、犯人は拘束される際、「自分は犠牲者」だと主張し、「フリー・パレスチナ」と叫んだという。男は、銃器を不法に所持した罪で起訴された。

発砲事件が起きたのは、ユダヤ教の祝日「ハヌカ」の初日だった。ニューヨーク市のエリック・アダムス市長は、ハヌカのイベントやマノーラ(燭台)が設置される公共のスペースでは、警備をさらに強化すると発表している。