三菱自動車が電気自動車の軽商用バン「ミニキャブ・ミーブ」をマイナーチェンジして「ミニキャブEV」に移行。モーターや駆動用バッテリーなど電動系コンポーネントを刷新し、一充電あたりの航続距離は従来比で約35%増となる180kmを実現。安全装備や機能装備の拡充も実施
三菱自動車は2023年11月24日、軽商用電気自動車「ミニキャブ・ミーブ」を大幅改良し、車名を「ミニキャブEV」に刷新して、本年12月21日に販売を開始すると発表した。
車種展開は以下の通り。
CD(20.0kWh)ハイルーフ・2シーター:243万1000円
CD(20.0kWh)ハイルーフ・4シーター:248万6000円
今回の改良は、EVシステムの新世代化を図るとともに、先進安全運転支援システムの拡充や機能装備のバージョンアップ、そして走行性能の改善などを実施したことが特徴。合わせて、航続距離の向上や安全装備の充実を図りながら車両価格は2シーターが据え置き、4シーターが3万3000円アップに抑えた。
まずパワートレインは、従来のY51型モーターと総電力量16.0kWhのリチウムイオン電池の組み合わせから、最高出力31kW、最大トルク195Nmを発生する新世代のYA1型モーターと、総電力量20.0kWhのリチウムイオン電池を搭載して後輪を駆動。また、モーターとインバーターを一体化構造とするなどモーター効率を向上させ、WLTCモードでの航続距離は従来比で約35%増となる180㎞を実現する。さらに、前述の一体化構造によって稼動時における静粛性の向上も果たした。一方で充電に関しては、AC200V(15A)での普通充電では約7.5時間で満充電となり、業務終了後に充電すれば翌日の業務開始時には満充電状態で使用可能。急速充電の場合は、約42分で0→80%までの充電を可能としている。
パワートレインのEV化に即して、走行性能の改善も図る。足回りは前後ショックアブソーバーの減衰力特性を見直し、乗員の乗り心地の向上とともにキャビンの揺れを抑制して荷物への負担を軽減。また、回生ブレーキを積極的に活用するBポジション時の回生力を強めることで、実用電費を向上させた。
先進安全運転支援システムについては、衝突被害軽減ブレーキシステム[FCM]や車線逸脱警報システム[LDW]、オートマチックハイビーム[AHB]、誤発進抑制機能(前進時)[UMS]などの予防安全技術「三菱e-Assist」を採用して安全性能を高め、サポカーSワイドに対応。さらに、急な坂道で発進時の後退を防止するヒルスタートアシスト[HSA]を追加し、安心してスムーズな発進ができるように設定した。
機能性の向上を果たしたことも見逃せない。電気を車両からいつでも取り出せるアクセサリーコンセント(AC100V、最大1500W)をフロアコンソール背面に配備し、災害時などの緊急時でも消費電力の大きい電化製品を使用可能とする。また、インストルメントパネルには充電用USBポートのタイプCとタイプAをメーカーオプションで設定し、同時にユーザーの使いやすさを考慮してスマホトレイを併設した。
文・大貫直次郎/提供元・CAR and DRIVER
【関連記事】
・「新世代日産」e-POWER搭載の代表2モデル。新型ノートとキックス、トータルではどうなのか
・最近よく見かける新型メルセデスGクラス、その本命G350dの気になるパワフルフィール
・コンパクトSUV特集:全長3995mm/小さくて安い。最近、良く見かけるトヨタ・ライズに乗ってみた
・2020年の国内新車販売で10万台以上を達成した7モデルとは何か
・Jeepグランドチェロキー初の3列シート仕様が米国デビュ