吉田達磨監督(ヴァンフォーレ甲府所属時) 写真:Getty Images

 2024年3月に徳島ヴォルティスの監督を解任された吉田達磨氏は、同年7月から韓国1部・大田ハナシチズンのコーチを担当。ジュビロ磐田から完全移籍加入のFW石田雅俊らを指導しているが、韓国国内で同氏の去就に注目が集まっている。

 吉田氏は柏レイソル、アルビレックス新潟、ヴァンフォーレ甲府、シンガポール代表を率いた後、2022年1月に再び甲府の監督に就任。同シーズンに天皇杯優勝という快挙を成し遂げた一方、J2リーグで18位に低迷したことにより、わずか1年で甲府を離れる。

 甲府退団後は、2023年8月から徳島を率いていたが、2024シーズン開幕から黒星が先行すると、3月末に解任。しばらくフリーだったが、同シーズン途中に韓国へ。現役時代のセレッソ大阪、柏でプレーし、U23韓国代表を率いていたファン・ソンホン監督のもとでアシスタントコーチを務め、チームを韓国1部残留に導いた。

 韓国メディア『スポーツ朝鮮』は11月11日、大田ハナシチズンの監督人事を特集。これによると、クラブは吉田コーチの監督昇格を検討しているほか、ファン・ソンホンには監督以外の役職を用意するなど、慰留に努めているとのこと。吉田コーチにJリーグ復帰の可能性は現時点で報じられていない。

 下位6クラブによる残留プレーオフで、1試合を残す中で降格プレーオフ圏内から勝ち点4差をつけて残留を決めた大田ハナシチズン。石田はXで「韓国に来てからも膝や足首が痛くてもう絶望状態だった。もうこんなに朝起きるのも苦しいなら、サッカー人生で初めて「引退」も頭によぎった。これ以上人の期待を裏切るあの感覚を味わいたくないから逃げようとも思った」と自身の苦悩を明かした上で、「夏に吉田達磨コーチなども来てなんとかもがいてやれたのが良かった。 苦しい時でもちゃんとやるべきことを強制し、そしてブレないことがどれだけ大切かを学んだ」などと、日本人指導者に対する感謝の思いを綴っている。吉田氏と石田が良好な関係を築いていると考えられるだけに、同氏が監督に昇格するとなれば、石田も引き続き大田ハナシチズンでプレーするかもしれない。