しかし、トランプとしては、北が自身の任期中に核実験やICBMのアメリカに近い場所への発射をしない限り、容認できる範囲だと考えているようだが、それでは経済制裁は解除できない。

メキシコとは、壁を建てると脅しつつも、NAFTAに代わる米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)が成立し、2020年7月から新体制に移行した。トランプとしては、二国を脅して有利に改定し、メキシコを動かして難民を送り込ませないようにした点で政治的な得点と言える。

USMCAに署名するトランプ大統領(署名は2018年11月)

『アメリカ大統領史100の真実と嘘』(扶桑社新書)