目次
若々しい新世代サルーンから、シブイ選択へ変わったクレスタ
バブル後に現れた小顔の3ナンバー専用車、4代目(1992年)
若々しい新世代サルーンから、シブイ選択へ変わったクレスタ
MOBY編集部がAIに聞いた「30〜50代のクルマ好きが気になる名車」にノミネートされている、トヨタの4ドアサルーン「クレスタ」。
1980年に登場するや新時代の4ドアハードトップとして大人気となり、旧車マニアなら一目置かれる名車も2代目以降はどちらかといえば保守的な4ドアセダンになったものの、むしろ兄弟車のマークIIやチェイサーよりシブイ選択として好まれました。
今回はそのクレスタの末期、4代目(1992年)と5代目(1996年)を紹介しますが、特に5代目はマークII3兄弟にトヨタが新時代のセダンとは何かを問う明確な「キャラ分け」を行った代で、クレスタには高級サルーンに特化した個性が特徴となっています。
バブル後に現れた小顔の3ナンバー専用車、4代目(1992年)
マークII(トヨペット店)、チェイサー(トヨタオート店→ネッツ店)と、複数チャンネル制だったトヨタで全盛期の時代を象徴するように、販売店別にラインナップしていたマークII3兄弟の末っ子(三男)、トヨタビスタ店向けの「クレスタ」。
新時代の4ドアハードトップセダンとして脚光を浴び、ハイソカーブームの最先端とも言われたのも1990年代には「昔の話」となっており、2代目以降はむしろ保守的な4ドアセダンとしてラグジュアリー路線をまっしぐら。
ただしツインターボの「GT」など、他の兄弟と同様のバージョンアップを受けてバブル時代を走り抜け、1992年にはやはりマークII、チェイサーと横並びの一斉モデルチェンジでクレスタも4代目(X90系)となりました。
マークII3兄弟が外観のちょっとした違いでほぼ同じクルマだったのはこの代(X90系)が最後で、3ナンバー専用ボディとなって、スポーツグレードへ新たに「ツアラー」の名が与えられたのも同じです(2.5ターボがツアラーV、同自然吸気エンジンがツアラーS)。
ラグジュアリー系グレードは最上位が「スーパールーセント」、中堅に「シュフィール」があり、簡素な業務用グレードに近い「SC」も含め、グレード数の多さは1980年代まで日本車にありがちだった名残と言えます。
他の兄弟車が、主に教習車やタクシー向けに継続生産していたマークIIセダン(6代目X80系)を除けば4ドアハードトップに対し4ドアセダン、それもやや押し出しの弱い小顔なのがX90系クレスタの特徴。
それ以外はほぼ同じクルマとはいえ、2.5リッターツインターボの1JZ-GTE+5MTの「クレスタ ツアラーV」は渋い4ドアスポーツセダンとして根強い人気があり、ドリフト競技などでも活躍しました。