ジョン・ハッチンソン監督 写真:Getty Images

 中国1部・北京国安は、元鹿島アントラーズ所属で中国への帰化が近いブラジル人MFセルジーニョ(長春亜泰)を獲得する可能性が報じられる中、Jリーグクラブの指揮官招へいを狙っている模様。FC東京のピーター・クラモフスキー監督や、横浜F・マリノス率いるジョン・ハッチンソン監督を候補に含めているという。

 北京国安は2024シーズンの中国1部リーグを16勝8分6敗と、首位の上海海港から勝ち点22差の4位で終了。シーズン終了後の補強を巡っては、中国メディア『捜狐』が10月17日にセルジーニョ獲得の可能性を報じるとともに、「先週、セルジーニョ本人が帰化に同意した。帰化にむけての交渉は北京国安が行っている」とリポート。2025年1月の帰化や中国代表入りの見通しを示していた。

 そんななか『163新聞』は11月8日、北京国安の監督人事について「クラブはオーストラリア人のJリーグクラブ指導者に連絡を取っている」と報道。すると『mnsac』は11日に、連絡を取っている相手がクラモフスキー、ハッチンソンであることを伝えるとともに、両者の現状について「クラモフスキーはFC東京との契約を残している」「ハッチンソンを招へいする場合は、違約金を支払う必要がない。中国サッカーに精通している」などとリポート。現横浜FM指揮官の方が招へいのハードルが低いとの見方を示している。

 クラモフスキーは清水エスパルス、モンテディオ山形を率いた後、2023年6月にアルベル・プッチ・オルトネダの後任としてFC東京の監督に就任。1年目の昨季にタイトルを獲得できず、今季もリーグ戦残り2試合で8位。上位争いに加われなかったほか、夏場には攻撃陣が得点力不足に陥ったこともあり、周囲から今季限りでの退任を望む声が湧き起こっている。

 一方でハッチンソンは、現役時代に中国の成都天誠でプレー。引退後は母国オーストラリアや米国で指導者のキャリアを積むと、2021年には横浜FMのコーチを担当。2023年に横浜FCのヘッドコーチを務めた後、同シーズン終了後に再び横浜FM入り。ハリー・キューウェルの後任として2024シーズン途中からチームを指揮したものの、リーグ戦で2桁順位と結果を残せていない。横浜FM時代にアンジェ・ポステコグルー監督(現トッテナム・ホットスパー指揮官)のもとで指導者としての経験を積んだ両者に、中国方面から熱視線が注がれているようだ。