トランプ前大統領の裁判に関して、ニューヨーク州の上級裁判所は2日、娘イヴァンカ氏による証言の延期の求めを却下した。
裁判は、トランプ氏が金融機関から有利な融資条件を引き出すために資産評価額を水増しするなどの詐欺を働いた疑いをめぐって、ニューヨーク州とトランプ氏の間で争われているもの。
審理開始に先立ち、訴訟を担当するアーサー・エンゴロン判事は、原告は「資産を過大評価したことを裏付ける決定的な証拠を提出した」とし、トランプ氏らには銀行や保険会社を欺いた責任があると認定した。そのため、先月2日にスタートした審理では、州司法長官が求める2億5,000万ドルの損害賠償請求の行方が焦点とされる。
判事は先週、長男ジュニア氏と次男エリック氏とともにイヴァンカ氏にも証人として出席するよう命じた。
ジュニア氏とエリック氏は被告として名を連ねている。イヴァンカ氏も当初は被告とされたが、州上級裁判所は今年6月、2017年に大統領補佐官になるために一族の企業を離れたイヴァンカ氏について、時効を理由に請求を棄却する判決を下した。
CNNによると、イヴァンカ氏の代理人は、証言の命令に対して、2017年以降ニューヨークに居住せず、働いてもいない上、共同被告でもないイヴァンカ氏について、ニューヨークの法廷は証言を強制する権限がないと反論。さらに、31日に控訴裁判所に提出した法定文書の一部で、審理の停止を求めるとともに、「3人の未成年の子供とフロリダで暮らすトランプ氏(イヴァンカ氏)は、すでに彼女が却下されている訴訟において、停止の求めが拒否され、学校週の真っ只中にニューヨークで証言を要求された場合、不当な困難に苦しむことになる」と主張していた。
法廷は、元大統領の娘のイヴァンカ氏にとって子供の世話係を手配することなど苦にならないと判断したのかもしれない。
ネットではイヴァンカ氏の主張を揶揄するコメントが相次いでいる。