2019年5月1日より在位する第126代天皇となる今上天皇。数々の逸話を残す歴代の天皇同様に、今上陛下にまつわるエピソードも多い。

 今上陛下は、1960年に当時の明仁親王と皇太子妃美智子様との間に誕生し、名前「徳仁」、称号「浩宮」を与えられた。浩宮様がまだ生後7ヶ月という幼少であった時、訪米のために日本を離れることとなった美智子様が、侍従や女官へ子育てについての詳細な申し送りを記したノートを託したという。当時、このノートは皇室の育児指南書として世間で大々的な話題となり、徳仁の名に因み「ナルちゃん憲法」と呼ばれ知られることとなったのは有名である。

 学生時代。当時、殿下であったことから「でんでん」という愛称で呼ばれていたこのころ、所属していた学習院大学の音楽部では、入部した男子学生がビールを一気飲みをして思いを寄せる女子の名前を叫び池に落とされるというコンパがあったという。流石に殿下にやらせてしまってはと考えた部員たちであるが、殿下は「やる」と答え、なんと侍従にアイコンタクトをして池へ突き飛ばされたという。この時、殿下は女子の名前を言う前に落とされてしまったため、誰の名前を言うはずだったのかはわからないままとなったが、侍従が気を遣って叫ぶ前に落としたのではないかとも言われている。

 イギリス留学時代の2年間は、非常に思い入れ深い時期であったようであり、「寮の部屋を記念に持ち帰りたい」と思ったほどであったという。この留学時代は、現地の警察官が警護として派遣されていたようであり、日本人の見張りとは異なり比較的自由に振る舞うことができたそうである。だが、学生仲間とディスコに行った際、その日に着ていた服装(ティーシャツ・ジーンズ)がふさわしくないという理由で入店を拒否されてしまったという。殿下という立場ではあったものの、自分が何者であるかを名乗ることなく素直に諦めて帰ったという。

 温和に見えるイメージからは想像しにくいエピソードの数々であるが、そのような中でも近年特に注目されたのは、2019年10月22日に執り行われた「即位礼正殿の儀」での出来事だ。

 この儀式は、即位した天皇が国内外に即位を宣明する国事行為であるが、午前は土砂降りであったにも関わらず儀式の直前に雨が上がり、しかも皇居にまたがる形で虹がかかったのである。またこの日、接近していた台風21号は大きく進路を変更させており、さらに富士山に令和最初の初冠雪を観測、その富士に雲が渦を巻くようにかかるという”奇跡”とも言える自体が相次いでいたというのだ。

 通称、エンペラーウェザー、天皇晴れと称されるこの「晴れ男」ぶりは、数多くの伝説も残す昭和天皇においても有名な話として残されている。今上陛下も見事にこれを受け継いだと言えるだろう。

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文=黒蠍けいすけ(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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提供元・TOCANA

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