新型コロナウイルスのワクチンが脳や脊髄など神経系へ及ぼす影響
上の表は主に、脳や脊髄などの中枢神経と手足などの末梢神経など、神経系への影響がまとめられました。
左から順番に統計的に有意な差がみられたものをみていくと、まずギラン・バレー症候群(GBS)がアストラゼネカのワクチンによって2.49倍に増加しているのがわかります。
ギラン・バレー症候群は末端の神経の障害により、手足の痺れや、力が入らないなど体の脱力、痛みが起こる神経症状です。
左から2番目の横断性脊髄炎(TRM)は免疫システムが脊髄(特に髄鞘)の神経に対して誤って攻撃し、炎症を引き起こす症状です。
表を見ると、1回目のアストラゼネカのワクチン接種により、1.91倍に増加していることがわかります。
右から二番目の急性散在性脳脊髄炎(ADEM)では、アストラゼネカのワクチンで2.23倍、モデルナのワクチンで3.78倍に増加していることが示されています。
急性散在性脳脊髄炎は脳や脊髄などの中枢神経に散発的に脱髄と炎症を起こしてしまう疾患です。
これまでの研究では、感染症やワクチンなどが原因で、免疫が自分を攻撃してしまう自己免疫的なものが原因と考えられています。
他にも1回目の接種で顔面麻痺(ファイザーとモデルナの両方)や熱性けいれん(モデルナのみ)などが確認されています。
新型コロナウイルスのワクチンが血管系へ及ぼす影響
上の表は主に血液学的な副反応をまとめたものになります。
全体的にみて、神経学的な症状を示した前の表に比べて、黄色の部分が多くなっているのがわかります。
一番左の血小板減少症(THR)は出血を防ぐ役割がある血小板が血液中で減ってしまう症状であり、1回目の接種で、3種類全てのワクチンで有意な増加を示しました。
(※アストラゼネカ1.07倍、ファイザー1.11倍、モデルナ1.33倍)
左から2番目の特発性血小板減少症(ITP)はウイルス感染後などに突然発症する血小板が減少する症状であり、1回目のアストラゼネカのワクチン(1.40倍)とファイザーのワクチン(1.08倍)で有意に増加しました。
中央の肺塞栓症(PEM)は足の静脈などから剥がれた血栓によって、肺に血液を起こる血管が突然に閉塞してしまう症状であり、3種類全てのワクチンで1回目の接種後に増加しました。
(※アストラゼネカ1.20倍、ファイザー1.29倍、モデルナ1.33倍)
脳静脈血栓症(CVST)頭蓋や硬膜洞でみられる血栓症であり、1回目の接種後にアストラゼネカのワクチンで3.23倍、ファイザーのワクチンで1.49倍に増加しました。
一番右の内臓静脈血栓症(SVT)は肝臓へ続く血管(門脈系)の静脈が閉塞してしまう症状であり、1回目の接種後にファイザーのワクチン(1.25倍)とモデルナのワクチン(1.23倍)で増加しているのがわかります。
アストラゼネカのワクチンはパンデミック中にもかかわらず血栓症になるとして利用が一時停止したことがありますが、3つ目の表でも統計的に顕著(赤色マス)に血栓ができることが示されています。