■ハードオフは「十分あり得る」
しかしここで疑問に感じるのが、なぜ「ハードオフはこの商品をジャンク品と判断したのか」という点である。takiさんの話を聞く限り、修理を加えて「中古品」として販売する未来も十分あり得たのではないだろうか。
そこで、件のPS4を販売していた静岡県の某ハードオフ店舗にまず、買取り時のPS4の状態について尋ねてみることに。
店舗の担当者は「『PS4が立ち上がらず、ゲームができない。中にゲームが入っていて抜けなくなった物も買い取りできるか』という内容で、お客様が持ち込まれました」と、当時の様子を振り返る。
PS4はゲーム本体にプレイヤーの個人情報等が設定されているため、店舗側が「データを消去できる状態でないと再販できず、買い取りは難しい」旨を説明するも、客は「なんとか買取できないか」と食い下がる。
そこで、ハードオフは「中のディスクの『買い取り』はできない」「内蔵HDDを取り外してジャンクとして販売しなければならないため、通常の買い取りより安くなる」という2点の条件を提示。客側はこれらを承諾し、かくして話題のPS4が買い取られたのだった。
「ジャンク品」として販売された商品が最終的に問題なく起動する様子を受け、ハードオフの「検品不足」を疑った人もいるかもしれない。しかし、実際はその逆である。
当時、商品検品に当たった担当者は「こちらでできる範囲の動作確認を行なった上で販売させていただきました」「通電していることは確認がとれていたため、本体の知識があり、部品交換などの対応のできる方であれば、直る可能性は十分にあったと思います」と、商品の状態を振り返っていたのだった。
4,400円(税込)という販売価格についても「PS4に関しては現在、通常動作が見込める商品でも全体的に値段が下がっていたため、設定金額は至って妥当と判断しています」と補足している。
さらに、担当者は「他のお客様からも『ジャンク品で売られていたオーディオ等をいじったら動いたよ』といったお声を何度もお聞きしているため、今回も『修理をしたら直った』というケースかと思われます」と、過去の事例についても説明しており、ハードオフ側では「修理できる方どうぞ」といった意味も込め、ジャンク品を販売している側面があるのだろう。
これらの説明に加え、取材の最後に「ハードオフといたしましてはこれからも、宝探しのようなワクワク感を提供できればと思います」とのコメントが得られたのが非常に印象的であった。
正にハードオフを象徴する、夢の詰まったメッセージと言えるだろう。ハードオフドリーム未体験の人はぜひ、ハードオフ店舗を散策してみてほしい。