若者が就職した瞬間、枠組みにはめ込まれます。企業によってその枠組みは広いところ、狭いところいろいろです。ある学生が私に質問をしました。「起業したいけれどお金が無いから就職します。何かアドバイスを」と言われたので自由度を求めるなら就職する前にその会社をよく調べて社員がどのように仕事をしているかOBOG訪問で確認した方がいいと。
私の経験則では大企業ほど束縛度が高く、自由度は少なくなります。これは上記の契約書の話で言えば優秀な弁護士が寸分の漏れなく作り上げる社員マニュアルのようなもので、小さい会社ほど自由度は高くなります。
歌を忘れたカナリアとは自分の本分を忘れているという意味です。今の時代、自分の本分を忘れるというより勝手に歌うな、と強要されているようなもので「歌わせてもらえないカナリア」といってもよいのかもしれません。
学生が苦労して就職しても3年3割の退職率の理由は「自分が思っている会社と違っていた」。つまりその会社で我慢していても何一つ変わらないだろう、という若手社員の諦め感とも言えるのかもしれません。それを「最近の若者は我慢の一つも出来ない」と責めてはいけません。仕事が面白かった時代に生きた我々は苦しさの向こうに達成感と充実感がありました。今の仕事のやり方は全体像が見えない闇の中で目先のことだけをやらされている、私にはこんな社会に映るのです。
今の若者がかわいそうな理由です。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年10月1日の記事より転載させていただきました。
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