J1の横浜F・マリノスやスコティッシュ・プレミアシップ所属セルティックの監督経験を持つプレミアリーグ、トッテナム・ホットスパーのアンジェ・ポステコグルー監督が、オーストラリアの同郷で元横浜FM監督同士でもある中国の上海海港足球倶楽部を指揮するケビン・マスカット監督に対し、次の移籍先を慎重に見極めるよう助言している。
ポステコグルー監督はスポーツメディア『ESPN』のインタビューで「マスカット監督は十分な実績を積み重ねており、ヨーロッパでも成功を収めるだろうと確信している」とコメント。しかし、「単にチャンスを掴むのではなく、自分に適したタイミングと場所を見極めることが重要だ」と続け、マスカット監督に対して移籍の慎重な判断を促した。
特にアジアでの実績が軽視されがちなヨーロッパの事情を踏まえ、ポステコグルー監督は「アジアでタイトルを獲得することは、オランダやベルギーでの優勝と同様に難しい。彼はオーストラリア、日本、中国で成功を収めており、それはヨーロッパでも通用するだろう」と、マスカット監督の実力が国際的に認められるべきだと強調した。
さらに、ポステコグルー監督は「経験は成功への鍵だ」と語り、マスカット監督が冷静に次のステップを選べる位置にいると指摘。ヨーロッパへの進出は、必ずしも急ぐべきものではなく、正しいタイミングと環境を選ぶことが重要だという見解を示した。
マスカット監督は、2022年にJ1リーグ優勝、2023年にはJ1リーグ2位と輝かしい成績を残した後に、スコティッシュ・プレミアシップのレンジャーズの監督候補として注目されたが、最終的にリーグアンのモナコで日本代表FW南野拓実を指導した経験を持つフィリップ・クレマン監督が選ばれた。その後、上海で指揮をとっており、今2024シーズンの中国スーパーリーグで優勝を果たしている。