北中米W杯アジア2次予選の平壌開催で話題を呼んでいる日本代表対北朝鮮代表。両国の対戦と言えば、昨年10月1日に行われた第19回アジア競技大会(杭州アジア大会)男子サッカー準々決勝における北朝鮮の暴挙が記憶に新しい。この試合でU22日本代表のキャプテンとしてプレーしていたDF馬場晴也(北海道コンサドーレ札幌)が、相手チームの凶暴ぶりについて語っている。
前半からラフプレーを連発し、計6枚のイエローカードを貰った北朝鮮。後半27分には、DFキム・ユソンが日本のスタッフから給水ボトルを強奪しようとしたほか、スタッフに左手を挙げて威嚇。主審が同選手に警告を与えた。
そして試合終了間際にMF西川潤(いわきFC)がペナルティエリアで倒れて、日本にPKが与えられると、北朝鮮の複数選手が主審に立腹。試合終了直後にDFキム・ギョンソクなど一部選手が主審を追い回すなど、収集のつかない事態となっていた。
またこの試合では、北朝鮮代表選手が主審を追い回す中、杉谷氏がピッチサイドでマイクを握っていたことも話題に。「勝ってよかったですよ。完全アウェーですさまじいプレッシャーで戦っている日本選手団。カッコ良かったです。元気貰いました」とリポートしつつも、後ろを気にする素振りを見せていた。
元北海道日本ハムファイターズ選手である杉谷氏の公式YouTubeチャンネルでは、今月8日に馬場やDF中村桐耶との対談企画が公開。同氏が「あの時、初めてサッカー選手のスピードだったり、代表選手たちの熱いプレーで感動して。『代表選手たちのプレーって、こんな感じなのか、サッカー面白いな』と思った時に、ちょっとあのトラブルが。色々な意味ですごい試合で『サッカーってこんな感じなのかな?』と思ったんですけど」と北朝鮮戦の感想を述べる。
その上で「あの試合どう思われましたか?」と訊くと、馬場は「中継で映っていなかったけど」と切り出し、「ハーフタイムから(北朝鮮側は怒っていた)。ロッカールームの前で殴り合い寸前。乱闘になりかけていた。だいぶ熱くなっていた」と、PK獲得前から相手がエキサイトしていたことを告白。
杉谷氏が「試合終わった後に待っていたけど、1時間くらい出てこなかったよね?」と言葉を返すと、「とりあえず北朝鮮が帰るまでは、ロッカールームにいろ、出てはダメと言われた。ホテルも一緒だった、北朝鮮と。試合後のご飯も一緒だったので、すれ違う時とかは何言っているのか分からないけど、相手はとんでもないことを言っていた気がする」と、当時の物々しい雰囲気を振り返った。