金明輝コーチ(写真左) 写真:Getty Images

 町田ゼルビア・黒田剛監督の右腕である金明輝コーチのアビスパ福岡監督就任報道を巡っては、サガン鳥栖時代のパワーハラスメント行為認定もあり反対意見が続出。福岡が声明を発表する事態に発展しているが、その影響が11月9日開催の明治安田J1リーグ第36節・セレッソ大阪vs福岡にも及んでいるようだ。

 金氏は2020年まで鳥栖の下部組織やトップチームを率いていたが、監督退任後に鳥栖下部組織でのパワハラ行為が認定。日本サッカー協会(JFA)の定める規則に違反したとして、指導者ライセンスでS級からA級への降格処分、JFAの定める研修、社会奉仕活動を科された。

 その後、2022年11月に町田のヘッドコーチとしてJリーグの現場に復帰。2023シーズンに黒田監督とともにチームをJ1昇格・J2優勝へ導くと、今季はクラブをJ1優勝争いへと導いている。

 複数メディアは11月はじめ、金氏が長谷部茂利監督の後任として来季から福岡で指揮を執る可能性を報道。これには福岡のサポーター団体『ULTRA OBRI』(ウルトラオブリ)が「我々ウルトラオブリはクラブに対して慎重な判断を求めます」などと異論を唱えたほか、オンライン署名サイト『Change .org(チェンジ・ドット・オーグ)』では、5日から「一部報道のアビスパ福岡次期監督就任について再考を求めます」と題した署名活動がスタート。

 クラブは「今回の報道により弊クラブのスポンサー企業の皆様に個別の問い合わせや、個人の主張等の連絡が入っており、一部業務に支障が出ておりますことお詫び申し上げます」などと声明を発表したが、金氏招へいの可能性については肯定も否定もしていない。

 そんななかで迎えたC大阪vs福岡では、C大阪のゴール裏で「パワハラ!反対!」と書かれた横断幕が掲出。金氏の去就を巡る報道に関連したものだと推察する声が多く見られるほか、福岡の監督人事を巡る議論が再び白熱している。