韓国サッカー界では現在、大韓サッカー協会(KFA)を巡る深刻な問題が噴出している。2024年2月のユルゲン・クリンスマン元韓国代表監督の更迭、その後、同年7月に就任したホン・ミョンボ現代表監督の不透明な選任経緯など、協会内部の管理体制への不信感が国民やファンの間で広がり、信頼が急速に失われているのが現状だ。
こうした状況に対し、元京都サンガ(2000-2002当時京都パープルサンガ)やマンチェスター・ユナイテッド(2005-2012)の選手として知られる同国の英雄パク・チソン氏(2014年引退、現JSファウンデーション理事長)が、11月8日、韓国水原市のワールドカップ競技場WIコンベンションで開かれたJSファウンデーションのイベントで「韓国サッカーは本当に危機にあるかもしれない」という懸念を強く表明した。
同氏は「サッカー協会がすでに多くの国民から信頼を失っているのは明白だ」と指摘し、今のままでは韓国サッカー界が根幹から揺らぎかねないと危機感を募らせている。「信頼を回復するには具体的な行動が必要であり、言葉だけでは何も変わらない」と述べた。協会の管理体制についても厳しい評価を下し、「行政を的確に運営できるリーダーが必要だ」とし、正直に組織を導ける指導者が求められるとの見解を示した。
また、自らの経験が協力に役立つならば積極的に支援をしたいとしつつも、「現状の体制に変革がなければ根本的な解決にはならない」と訴えたパク氏。協会に対する国政監査に関しても「なぜ人々が怒っているのか、自分にも理解できる」と述べ、協会の不透明な管理体制に対する不信感が広がっていることに懸念を示した。