AD コロナウイルス感染症流行時のトランプ大統領とNIH所長とのバトルは記憶に新しい。今回は上下院ともに共和党優位となる公算が高い(上院は共和党過半数で確定、下院は現時点で共和党優位)ので、トランプ大統領の権限が非常に大きくなり、科学政策にも彼の意向が反映されることになる。彼のイエスマンだけが科学行政を牛耳るととんでもないことになりかねない。

トランプ大統領が、現在、科学の重要性をどの程度認識しているかは定かではないが、もし、科学を軽視すれば地球規模での温暖化対策は難しくなる。そして、中国が科学分野で圧倒的な優位に立つ可能性が高くなる。日本が米国と協力して科学分野を推進することになれば、日本としては失地挽回につながるのだが?今の混乱した政治状況でもそのような発想ができる政治家が出てきてほしいと願うばかりだ。

編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2024年11月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。