スマートウォッチで健康管理が当たり前になった今、さらに進化した技術が登場している。それは「汗」を測定して健康状態を調べる方法で、運動強度の計測から日常的な健康管理のサポートまで可能だという。この技術が私たちの生活をどのように変えていくのか。今回は、驚くべき最新の健康管理デバイス事情について紹介しよう。

汗で健康管理!? 驚くべき最新のウェアラブルデバイス事情
(画像=汗に含まれる成分から無理のないランニングペースが分かる!? (画像はイメージ)、『BCN+R』より 引用)

汗に含まれる成分から自分の最適なペースが分かる!?

 大手スポーツ用品メーカーのミズノは、グレースイメージングと共同してランナー向けの汗乳酸計測サービス「LacttoRUN30(らくっとらん30)」を開発した。このサービスは、着るだけで汗に含まれる乳酸を計測できる画期的なウェアラブルデバイスを活用したもの。デバイスを着用することで、利用者の有酸素運動から無酸素運動へ切り替わるタイミングや代謝反応の変動が分析可能に。そして、長時間疲れずに走れる最適なペースを把握できるという。

 「マラソンでベストなペース配分がわからない」「自分の運動能力の限界を知りたい」。このようなランナーの悩みを解消し、計測した汗の成分から最適な運動をサポートしてくれる。まさに、ランニングの常識を覆す革新的なサービスと言えるだろう。

 さらに驚くべきは、2024年6月に筑波大学が発表した超小型ウェアラブルパッチだ。従来のウェアラブルデバイスは、運動中の汗のような大量の汗でしかデータを検知できなかった。ところがこのパッチはわずか1mm、重さ1gという驚異的な小ささで、日常生活での微量な汗まで正確に検知することが可能となっている。

 パッチは肌や頭部など体のさまざまな部位に貼り付けられる。流路に入った汗を食用色素で着色することで、汗の量や発汗速度を視覚的に確認することも可能だ。将来的には、脱水管理やストレス観察、心身の健康管理や疾患診断への活用が期待されている。

 運動能力の限界や日常的な健康管理まで、汗を通じて得られる情報は私たちの想像以上に多い。今後、自分の体と向き合う方法として、汗を診るウェアが当たり前になる日もそう遠くないだろう。(フリーライター・佐々木剛)

■Profile
佐々木剛

大手メーカーに勤務後、一念発起してウェブメディア業界に転職。その後フリーライターとして独立し、現在に至る。メーカー時代の経験を活かし、テクノロジー、機械、技術系中心に執筆。

提供元・BCN+R

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