米大リーグ、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が、フジテレビの取材を拒否したのではないかとの疑惑がネット上で大きな話題になっている。そこで、実際に大谷選手がフジテレビの取材を拒否したのか、同社に直接聞いてみたが、回答を拒否された。

 ロサンゼルス・ドジャースがニューヨーク・ヤンキースを破ってワールドシリーズを制覇した同シリーズ第5戦は、フジテレビ系の平均世帯視聴率は8.7%だった(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。優勝がかかった第5戦はNHK・BSでも中継されていたが、同シリーズは全試合、フジテレビ系で生中継されており、米大リーグ機構によれば同シリーズの日本における視聴者数は過去最多の1試合平均1210万人だったという。

 そんな注目度の高いワールドシリーズを全試合中継したフジテレビに、ネット上である“疑惑の目”が向けられている。日本時間10月31日に放送された第5戦、ドジャースが優勝を決め、ヤンキース本拠地のヤンキースタジアムでドジャースの選手やスタッフらが歓喜にひたるなか、ひとつのテレビ局のクルーが大谷翔平選手にコメントを求めに行くが、同選手は険しい表情で取材を拒否している模様が放送されている。

 その“取材拒否”されたのが、フジテレビのクルーではないか、と一部の週刊誌などが報じているのだ。確かに、その後もフジテレビの放送のなかで大谷選手へのインタビューは行われていない。NHKの取材には応じていることから、意図的にフジテレビの取材を避けているのではないか、との声が大きくなるのも仕方ないように感じる。また、同じドジャースの山本由伸選手はフジテレビの取材に答えている。

 なぜ大谷選手がフジテレビの取材を拒否したとみられているのか。それは今年、結婚を発表した大谷選手がロサンゼルスに新居を購入したとして、フジテレビがその自宅を上空から撮影したり、近隣住民にインタビューするなど、執拗に取材して放送したことで、大谷選手の怒りを買ったと報じられているからだ。

 ドジャースから取材パスを凍結されたとの報道もあり、フジテレビは謝罪を表明しつつ、取材パスは凍結されていないと報道を否定したが、大谷選手は同社を許していないとみる声が多い。そのため、優勝後の喜びのなかでもフジテレビの取材には協力しない姿勢を示したのではないかと指摘されているのだ。

フジテレビに事実確認したが、回答拒否

 そこでBusiness Journal編集部は、フジテレビ広報部に、
・放送のなかで大谷選手に取材拒否されているのはフジテレビのクルーなのか
・大谷選手の自宅を公開したことで取材拒否されているという事実があるのか
・今後、大谷選手に取材する予定はあるのか
という3点を尋ねるとともに、ワールドシリーズの再放送を日本シリーズの放送時間とかぶせたことで日本野球機構(NPB)から取材パスをはく奪されたと報じられていることについても事実か否かを聞いた。

 すると、そのすべてについて「制作の詳細についてはお答えしておりません」として回答を拒否された。

「フジテレビはワールドシリーズ全試合の放映権を獲得したことから、その高額な放映権料を回収するため、また人気の高い大谷選手にあずかるかたちで、それぞれの試合の再放送をゴールデンタイムに行いました。しかし、国内の最高峰を決める日本シリーズが、他局で生中継されていたなかで、同じ時間帯にぶつけたことから、NPBの怒りを買ったのです。国内の野球機運を高めようとする野球界に水を差す行為ともいえ、各方面から批判が出ています」(テレビ局編成担当)

 大谷選手から取材拒否されたとの疑惑が出ているフジテレビだが、その真偽についての問い合わせに、同社は回答を拒否したわけで、真相はわからずじまいとなった。

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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