筑波大学附属高校の3年生であられる秋篠宮家の長男・悠仁さまが、東京大学の推薦入試制度を利用されて同大に入学される可能性が取り沙汰されている。「女性自身」(光文社/9月10日号)によれば反対の署名活動まで起きているというが、東大の推薦入試の難易度はどれほどなのか。また、一般入試で合格するのと比べ、どちらがハードルが高いのか。予備校関係者の見解を交えて追ってみたい。

 東京大学の学校推薦型選抜では、まず志願者・在籍高校が作成・提出する入学志願票、調査書、学校推薦型選抜志願書、推薦書、学部が求める書類・資料などの書類に基づいて第1次選考が実施される。その合格者は面接および大学入学共通テストを受験し、書類・面接・大学入学共通テストの結果の総合的評価により合否判定がなされる。学校推薦型選抜における各学部の募集人員は2~10名程度(工学部は30名)であり、一高校あたり推薦できる人数は原則4名まで。

<国際レベルのコンテストでの入賞記録>

 難易度はどうなっているのか。共通テストの受験科目は6教科8科目、または7教科8科目であり、概ね8割以上の得点であることが目安として設定されている。たとえば理学部の推薦要件は以下と定められている。

<次の三つの要件を全て満たすこと:(1)自然科学に強い関心を持ち、(2)自然科学の一つ若しくは複数の分野において卓越した能力を有し、(3)グローバルに活躍する意欲があること。これらを示すものとして、(i)特に優れた成績や研究成果(自主的な研究活動も含む)など、(ii)科学オリンピック<数学、物理、化学、生物学、地学、情報>、高校生科学技術チャレンジ、日本学生科学賞など、国内外で開催された各種コンテストへの入賞、科学雑誌などへの論文発表、商品レベルのソフトウェア開発経験など、(i)、(ii)のいずれか若しくは両方を有すること。

 なお、志願者が主導的な役割を果たし顕著な成果を挙げた活動(例えば、研究活動、国際活動、社会貢献活動、芸術・文化、スポーツなどでの意欲的な活動やリーダーシップを発揮した活動など)も評価に加味します>

 また、経済学部は志願者に提出を求める「推薦要件に合致することを証明できる資料」について、次のように定めている。

<例えば、

・全国レベルあるいは国際レベルのコンテストやコンクール(例えば数学オリンピック)での入賞記録あるいは論文採択記録
・英語その他の外国語に関する語学力の試験(TOEFL、英検、IELTS、TestDaF、DALF、HSKなど)において高得点を取ったこと示すもの
・留学を含む様々な国際的活動で、その内容が第三者によって高く評価されたものについて、その詳細や評価内容を記した文書(新聞記事など)

などです>(原文ママ)