2023年6月18日、オーシャンゲート・エクスペディションズのストックトン・ラッシュCEOを含む5人の乗客を乗せたタイタン潜水艇は、海底12,500ftに沈むタイタニック号の残骸を目指した後、消息を絶った。
その後、レスキューチームによる数日間に及ぶ捜索がなされ、世界中の人々が潜水艇に乗っていた人々の救出を固唾をのんで見守っていた。しかし残骸が発見されたのは数日後、潜水艇は潜水の途中で激しく崩壊して乗客5人全員が死亡したという最悪の事態が確認された。
この事故に関する最新の公聴会で、アメリカ沿岸警備隊の調査チームが海底に沈んだタイタン号の残骸の実際の写真と乗組員の最後の通信を初めて公開した。
潜水開始から約1時間後、潜水艦は「オール・グッド・イン・ヒア」というメッセージを送信。水深3,346mから送信された最後の通信には、2つの錘が投下されたことを示す内容が含まれていた。
捜査当局によると、潜水艇の船体は第三者機関による試験を受けたことがなく、保管中も風雨にさらされたままだったという。また、2021年から2022年にかけての13回の潜水で、バッテリーやスラスターの故障から潜水後のドームの落下まで、合計118件の技術的な問題が発生していた経緯もある。
これらの諸問題があってもなお、タイタン号での潜水ツアーが敢行され続けた背景には、この事故で亡くなったストックトンラッシュCEOが気難しい性格だったことにも要因があると言われている。
「ストックトン氏は自分が望むもののために戦い、たとえそれが日々変化したとしても、一歩も譲らなかった。たいていの人は最終的にストックトン氏から引き下がるしかなかっただろう」と元エンジニアリング・ディレクターのトニー・ニッセン氏は語っている。
提供元・TOCANA
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