これもやはり、彼らの育ってきた環境では利害関係がない友人関係を作るとか、ただ単に一緒に楽しむとかということが存在しなかったからだと考えられます。

そしてこの『インプレゾンビ』の人々にとって、クソリプを送り付けるのは生活のためであって、楽しみのためでも、嫌がらせの為でもなかったわけです。

この様な現実から、自己承認や見ず知らずの他人に嫌がらせをしてストレスと解消するという、先進国の人たちがSNSのでやっていることが、いかに恵まれたことなのか、それは生活の余裕があるからこそ可能なのだということがわかる訳です。

Chainarong Prasertthai/iStock

実際に途上国に行くとわかりますが、2024年になっても道路は舗装されていないので、雨が降ればドロドロ、家は日本の感覚だと廃墟です。

私の知人が住んでいるガーナの場合は、地域に有力者が勝手に道路を引いてしまうので、いきなり他人の家を破壊して道路にします。家には虫が大量に湧くので一年中虫との格闘です。行政もまともではないので、一生懸命買った家の権利書や登記はめちゃくちゃです。

パキスタンの場合では、就職はコネがなければ出来ないしやる気があっても学校に通えないので、首都の近代的なオフィスで働くのは夢の夢です。ごみ収集などなく、水は汚染されても当たり前。水道もなく井戸に水を汲みに行く。トイレはその辺の穴です。

リベリアの田舎では、荒れ果てた畑で少し野菜を作って近所に売りに行ったりするのがせいぜい。配達の仕事があればラッキーなのです。

【参考記事】

途上国の人が『インプレゾンビ』になる理由を日本人は何も知らない 谷本 真由美 「日本の不動産は海外と比べてどれだけ安いか?」を日本人は何も知らない 谷本 真由美 テレ朝『ポツンと一軒家』に感じる日本人の危機意識のなさ 谷本 真由美 TikTokの危険性を日本人は何も知らない 谷本 真由美 欧州の富裕層の子供はガリガリ勉強しないというお話 谷本 真由美

 

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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