トランプ前米大統領は「前回の1期目の任期では果たすことが出来なかったことが多かった」として、大統領選でホワイトハウスにカムバックできたならば「今度こそやりたいことがある」という。その内容をまとめたのが「プロジェクト2025」だ。

米ウィスコンシン州ミルウォーキーで開かれた共和党大会で「バイデン大統領による国境流血を止めろ」と書かれたプラカードを掲げる参加者(2024年7月16日、桑原孝仁撮影)

900頁に及ぶ通称「プロジェクト2025」は、共和党とドナルド・トランプ前大統領が推進している政策提案および行動計画をまとめたものだ。このプロジェクトは、政権交代後に政策を迅速に実行するための具体的な計画と手順を準備し、トランプ前政権での経験を活かして効率的な政府運営を目指すことを目的としている。

米共和党は15日、ウィスコンシン州ミルウォーキーで開幕した党大会で党綱領を採択したが、その内容は「プロジェクト2025」からの抜粋で、トランプ氏の選挙公約を意味する。

「プロジェクト2025」の目的は共和党の政策理念の実現だ。小さな政府、自由市場経済、強力な国防といった伝統的な共和党の価値観を推進することだ。

少し、内容を整理してみる。

政府の構造改革 行政機関の再編成を行い、連邦政府の規模と影響力を縮小する。 特定の規制機関やプログラムを廃止するか、大幅に縮小する。 経済政策 減税政策の推進。 企業規制の緩和。 エネルギー自給自足の促進(石油・天然ガス産業の支援を含む)。 移民政策 国境管理の強化。 不法移民の排除。 移民法の厳格化。 教育政策 教育カリキュラムの見直し。 親の権利を強化し、学校での教育内容に対する親の関与を促進 外交政策 アメリカ第一主義を再度強調。 同盟国との関係再編。 国際機関からの距離を置き、国内問題に重点を置く。