フリーランスになって2年後、セブへ移住
――東京からセブに移住したきっかけは何でしょうか?
Aさん:元々海外への憧れがあったのが大きいですが、フリーランスになってから、日本の税金の高さを気にするようになったのも大きいです。また、CGの新しい技術について説明している記事や動画は英語のものが多く、もっと英語力をつけたい、子どもには早いうちから英語を身につけさせたいと思うようになりました。
――セブを選んだ理由は何ですか?
Aさん:バンクーバー時代のホームステイ先がフィリピン人家庭だったので、フィリピンに親近感がありました。あと、バンコクやクアラルンプールも大都市という点では東京と変わらないので、ライフスタイルを変えるため大都市でない場所に行きたいという気持ちもありました。
約12万円の賃料で、100平米を超える広いタウンハウスに住む――フィリピンは、貧富の差が激しい途上国だから暮らしにくいと思っている人も多そうです。いかがでしょうか?
Aさん:たしかに、そうした場所もありますが、セブ島の中でもIT関係者が多く住むITパークは、きれいに整備されたエリアで、オフィスビルやショッピングモールも整っています。
――住宅はいかがでしょうか?
Aさん:外部と高いフェンスで仕切られ、外部とのゲートにはガードマンが24時間見張っている地区に、タウンハウスと呼ばれる2階建ての家がたくさん建っている、そうした地区がたくさんあります。地区内に運動できるスペースやスイミングプールがあることも多く、セブ在住の日本人で住んでいる人も多いです。もちろん、普通の高層のコンドミニアムもあります。
――Aさんのお住まいは、いかがですか?
Aさん:タウンハウスを借りています。約110平米で家賃が40,000ペソ(約12万円)です。100平米を超えるサイズのタウンハウスの家賃としては標準でしょう。このサイズのタウンハウスだと25,000ペソ(約7万5,000円)くらいからあります。
母子留学で来ている日本人も多い――お子様はどこで勉強されているのですか?
Aさん:インターナショナルスクールの幼稚園に通っています。インターナショナルスクールと言っても、芝生の校庭が見渡す限り広がるようなキラキラ系ではなく、英語で教えています、多国籍の生徒がいます、というだけです。とはいえ、幼稚園児が英語を習得していくには十分な環境だと思います。
――日本人の生徒も在籍していますか?
Aさん:学年によりますが、20人中、約10人が日本人なので、比較的多いと思います。日本人が多い学校を敬遠する方もいるでしょうが、初めての環境に行く場合、ある程度は日本人がいる方が馴染みやすいと思います。
――予想以上に多くてびっくりしました。どういうバックグラウンドの方が多いのでしょうか?
Aさん:母子留学の方が約半数(50%弱)ですね。そして、駐在の家庭が約25%、移住した家庭が約25%です。
――母子留学の方が多いですね。
Aさん:高校・大学のような高等教育機関で学ぶのでない限り、学生ビザ取得は不要です。SSP(Special Study Permit、特別就学許可証)は必要ですが、SSPは学校が取ってくれるので簡単です。海外移住による節税などを考えない母子留学の方であれば、これで十分でしょう。
――学費はどれくらいでしょうか?
Aさん:今の為替レートで年間約90万円です。日本の普通の幼稚園と比べると高いですが、インターナショナルスクールと考えれば安いですね。セブには、1年の学費が約20万円以下というインターナショナルスクールの幼稚園もありますから、本当に色々な選択肢があります。
海を楽しんだり、投資をしたりの日々!――セブの生活はいかがですか?
Aさん:家で仕事をする以外は、子どもを幼稚園に送り迎えしたり、子どもと一緒に遊んだりですね。セブは海がすぐ近くですから、海に遊びに行くことも多いです。遊ぶばかりではなく、投資もしています。オフショア法人を設立して、FXや暗号資産投資をしています。リゾート地に移住して、インターネットを通じて仕事をしつつ、オンラインで投資をして、子どもはインターナショナルスクールで英語を学ばせ、余暇は自然豊かなビーチで過ごす。こうした生活を実現できていると思います。
インタビューを終えてリモートワークをしている方の中には、「海外でリモートワークをすれば、節税・バイリンガル教育・リゾート地生活を実現できるのでは?」と想像した方もいらっしゃるでしょうが、その想像を実現した人は少ないはずです。
インタビュー後、Aさんは、「私は想像するのが好きで・・」と照れていましたが、東京・ニューヨーク・海外移住と、想像を実現する力の凄さを感じるインタビューでした。