■そもそも『3rd』って何だ?
『ストリートファイター』シリーズ最新ナンバリングタイトルは、昨年6月にリリースされた『ストリートファイター6』(以下、スト6)。
一方の『3rd』は、1999年よりアーケードにて筐体稼働したタイトルだ。じつに25年前の作品ということで「レトロゲーム」の6文字を連想した人も多いかと思うが、現在も高い人気を誇る、由緒正しき「現役タイトル」である。
中でも、プロゲーマー・梅原大吾氏が2004年「EVO2004」の『3rd』で魅せたスーパープレイは「背水の逆転劇」として知られ、20年が経った今なお「世界で最も有名な格ゲー動画」の座に君臨している。
今年の「EVO2024」では最新作『スト6』と共に、『3rd』がメインタイトルに名を連ね、1,000名以上がエントリーしたのだから、世界規模での根強い人気が窺えることだろう。
そうした背景もあり、件のモザイクアートは世界中の格ゲーマーの間で大きな話題に。前出のポストは、投稿から数日足らずで3,000件近くものリポストを叩き出したのだ。
他のXユーザーからは「専用ソフトを使ってたとしても、愛を感じてすごい」「これはセンスの塊」「本当に頭おかしい(褒め言葉)」など、称賛の声が続出していた。
そこで今回は、話題のモザイクアートを作成した経緯について、静岡県静岡市のゲームセンター「アップル新北街道店」の店長・鈴木さんに話を聞いてみることに。
すると、ヒューゴーの「立ちギガス」に匹敵する、衝撃の舞台裏が明らかになったのだ。
ことの経緯をめぐり、鈴木さんは「お店では、毎月行われている対戦会(毎月第3土曜)に来店して頂いたプレイヤーにネームプレートを作って頂いています。『遊びに来て頂いた足跡を残してもらいたい』と考え、4~5年前から作成しているものです」と振り返る。
ユーザーから「サードの大井川道場」と呼ばれていることをヒントに、「道場=名札」というイメージで作成したボードには、200名以上のプレイヤーの名札が記録されているという。
そして今回、店舗にて『3rd』の大会を開催するに当たっても、同様に「参加して頂いた方に、何か足跡を残してもらいたい」と考え、メッセージボードとして今回の作品を作成したのだ。
すると、多くのプレイヤーが拡散することによって、予想外の大バズりを達成。しかし、鈴木さんは笑顔を浮かべつつ「作品がXでバズったことより、大会を無事終えたことの方が嬉しいです」と、謙虚なコメントを寄せてくれたのだ。
なお、本大会が開催されたのは「アップルグランリバー大井川店」で、鈴木さんは大会の準備や立ち会いなど、ヘルプとして駆けつけたそう。