5月31日発売の『正論』7月号のミニ特集「気になる潮流」に寄稿しています。論考3点からなるもので、他のお二人は選挙プランナーの大濱崎卓真さんと、政治思想史の河野有理さん。

気になる潮流ってなんぞやと言えば、いま、「選挙なんて別に民主主義じゃないし~」な空気が、自由民主主義の国ほど高まっている現象を指すもの。先崎彰容さんとのプライムニュースで話題になった、「権威主義と民主主義はほんとうに別物か? むしろ似てきていないか?」とも重なる問いですね。

「白黒」がはっきりつく司法に依存し、多元性の確保を放棄した民主主義は、「裁判官の権威主義」になりはしないか? 番組後半の動画より

立法府でいつまでも多数派になれない勢力が、ひそかに選挙から撤退し、「裁判官の判決による『司法を通じた立法』を狙えばいい」と居直る。取り残された選挙の方では、端から当選など度外視の、売名・課金目当ての迷惑な出馬者ばかりがニュースを席巻する……。

2022年の参院選の際にも書きましたが、これだと「選挙」の語義が民主主義から離れて、(司法官を選ぶ際の)エリート主義の選抜試験に等しくなってしまう。それって、選挙と言えば「科挙」を意味した大昔の中国とも、ほぼ変わらない社会なのかもしれない。

『正論』編集部の許可を得て、イントロに相当する部分を以下、全文公開します。松本清張の引用は、6/2(日)のイベントを準備する過程で見つけていますので、ご来場くださる方には続きもお話しできるかも!?

かつて「開かれた通信」のように広く議論を交わす場であったはずの民主主義は、なぜその場所から凋落したのか? お久しぶりの「あの話題」が紙媒体で復活!! ぜひ同誌にて、最後まで見届けてくだされば幸いです。