子どもの頃、なんらかの迷信を言い聞かされていたという経験を持つ人は多いだろう。「夜に爪を切ってはいけない」「火遊びをするとおねしょする」「箸を白飯に立ててはいけない」など、一度は聞いたことがあるかもしれない。「靴下を履いて寝てはいけない」というのもその一つだ。

 靴下を履いて寝ることのそもそもの迷信的解釈とは、第一に棺に納められた遺体を連想させるというものがある。亡くなった人をあの世へ送る際に白い足袋を履かせていたことに由来していたことが、靴下を履いて寝ることのマイナスイメージに繋がっているというものだ。

 靴下を履いて寝ると「親の死に目に会えない」という理由付けのバージョンについても、前記にあるように亡くなった人のいわば”儀式”を親より先に行なってしまうことから付与されたものであると考えられる。

 また、この迷信は日本人の睡眠観にも関係した由来があると言われている。寝床に入って眠ることは神と接触を可能にすると言われており、夢は神のお告げであると信じられていた経緯がある。いわば、寝床は神と会うことのできる神聖な場所であり、そのような場所に足袋のままでいることは失礼であるという価値観が生まれたと言われている。

 迷信の中には、「死の連想」をさせることから縁起が悪いとして忌避されるものが多く、この靴下の迷信もそれに関連しているのは想像に難くない。その一方で、迷信というのは警告の意味も持っていることがある。

 いわば親の子に対するしつけのようなものとして、靴下のまま布団に入ることは行儀が悪いという意図も含まれていることが想像されるが、直接的に言うよりも、「親の死に目に会えない」というような言いまわしで注意する意図があったものとも考えられるだろう。

迷信「靴下を履いて寝てはいけない」理由とは?科学的根拠がある?
(画像=tookapicによるPixabayからの画像,『TOCANA』より 引用)

 現在、この靴下を履いたまま寝るという行為は、迷信を抜きにして推奨されない行為ということで広く認知されている。冬場などで足先を冷やさないために靴下を履いて寝る人もいるかもしれないが、靴下を履いて寝ると指や足首を圧迫させてしまい、血行が悪くなると言われている。血液の巡りが悪くなるということは、つまるところ冷えも改善されないため、逆効果にしかならないのだ。

 また、単純に靴下の中が蒸れてしまうということから水虫の問題も浮上することとなる。いずれにせよ、靴下を履いたままの睡眠は身体面において科学的にもよろしくないということだ。もっとも、近年では睡眠時に履くための通気性が良い靴下もあるようだ。

 なお、ヨーロッパの民間療法として「スライスした玉ねぎを靴下の中に入れて履いて寝る」というものがあり、雑菌が玉ねぎに吸収され、血行も促進するのだと言われている。国内でも、これを基にした健康法として各所で謳われているのが散見されるが、この療法も科学的に根拠があるものではないとされており、海外でもプラシーボ効果にすぎないのではないかと考えられているようだ。

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文=ナオキ・コムロ(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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提供元・TOCANA

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