東京23区で大雪警報が発令されるなど、日本各地で厳しい寒さが続いています。
朝、車に乗ろうとすると「フロントガラスが凍結していた」という方も少なくないでしょう。
こんな時、大雪に慣れていない地域だと、どう対処すればいいのか意外に分からないものです。
安易にお湯をかけてしまうと窓ガラスが割れてしまう恐れもあります。
そこで今回は、車のガラスが凍結した際にやってはいけないことや、誰でも簡単かつ安全に凍結を溶かす方法について見ていきます。
フロントガラスはどうして凍結するのか?
冬は空気が乾燥していますが、なぜそうなるかというと気温が低いと空気が保持できる水蒸気量が低下するためです。
空気中には常に一定量の水蒸気が含まれていますが、空気が保持できる水蒸気の量には限界があり、これを「飽和水蒸気量」といいます。
そしてこの飽和水蒸気量は、気温とともにどんどん下がっていくのです。
そして冬の夜には「放射冷却」という非常に気温が下がる現象が起こります。
これは、昼間に太陽光から受け取った地表の熱が、夜間になって空気中に逃げることで地表の温度が急激に低下する現象を指します。
この効果は積雪がある場合、より強くなります。空気を含んだ雪は断熱効果が高く地面の熱を封じてしまう上、冷えた表面からの赤外線放射は大気中の熱を宇宙空間へ逃してしまうためです。
冷えて飽和水蒸気量が下がった空気中では低温で結露が発生します。これが車のガラスの表面上で凍結し、霜を作り出すのです。
そのため大雪が降ったりする冬時期は放射冷却の作用と相まって、路面やガラスがカチカチに凍りやすくなるのです。
フロントガラスの凍結時にやってはいけないこと
「急いで出社しないといけないのに、車のガラスが凍っていた…」
早朝からこんなにテンションが下がることはありませんね。
しかもガラスが凍結したまま車を走らせると、視界が悪いので事故リスクも高まりますし、霜を放置すればワイパーのゴムを破損させたりフロントガラスを傷つける原因にもなります。
そこでガラスの凍結を溶かす必要があるわけですが、ここであまり雪や寒さに慣れていない人がやりがちな誤りが「熱湯をかける」という行為です。
簡単に手早く氷を溶かせると思って熱湯をかけてしまうと、急激な温度差が発生し、ガラスの一部分だけが熱膨張を起こします。
すると、その膨張した部分が冷たいままの周辺部との圧力差に耐えられなくなって、ガラスを劣化させたり破損させる場合があります。
では、誰もが安全かつ簡単にできる正しい対処法とはどんなものでしょうか?