バルカンSは、カワサキが誇る650cc排気量クラスのクルーザーです。重厚で滑らかな曲線美が映えるフォルムは、ロー&ロングデザインとスポーツバイク譲りのパワートレイン、優れた安定性とライダーに合わせて調整可能なポジションで、ツーリングライフを満喫できます。
バルカンSの車種プロフィール
2015年に登場して以来、バルカンSは流麗なデザインや機能面を大幅に変更することなくカワサキのクルーザーとして君臨しました。国内ではエリミネーター400と入れ替わるようにカタログ落ちしました。かつてはエリミネーターと併売していたことや、ヨーロッパでは2023年モデルが公開されているので、日本での販売開始も期待できるでしょう。
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バイクインプレ
バルカンSのレビューを開始します。今回の車両は上級グレードのバルカンS ABSスペシャルエディションです。まずは外観を見てみましょう。
エンジン音はドスが効いた低音を響かせています。エンジンはZ650やニンジャ650と共通で、水冷4ストローク並列2気筒/DOHC 4バルブ 総排気量649cc、最高出力61PS/7,500rpm、ボア×ストローク83.0mm×60.0mm 、圧縮比10.8、最大トルク:62N・m/6,600rpm。クルーザーらしく低音重視にチューニングされています。外観も空冷風のフィンが設けられたデザインとなっています。
水冷エンジンのため、大型のラジエーターが採用されています。はやみくもに空冷モデルのイメージを追いかけるのではなく、ラジエーターすらもデザインの中にうまく取り込もうとする意図が見えて、個人的には好感が持てます。
燃料タンクの溶接用のフランジが見えないようにカバーが付けられているなど、細かい配慮が見受けられます。ショックアブソーバーの配置はニンジャ400と共通性を伺わせますが、独特の配置のショックアブソーバーが採用されています。
フロントフォークは、正立式のフロントフォークでインナーチューブ径もかなりありそうです。そしてシングルのディスクブレーキを採用しています。 ABSスペシャルエディションのため、ABSのセンサーなどが設けられています。
リアブレーキもシングルのディスクブレーキとなっていて、こちらにもNISSIN製のキャリパーを採用しています。リアは片押しシングルの1ポットキャリパー、フロントは片押し式のピンスライド方式の2ポッドキャリパーを採用しています。
ステップはフォワードコントロール気味の位置にセットされています。オプションパーツなどが必要になるそうですが、ステップの位置はライダーの体格などに合わせて若干変更できるようです。
ハンドルバーは大きくプルダウンされていますが、幅はそれほど広くないので街中などのタイトな道を走る時もそれほど気にならないと思います。また、ミラーのステーも短めで、すり抜け時も邪魔になりにくいタイプとなっています。
足つき
クルーザーモデルではタコメーターが省略されることが多いですが、このモデルはコンパクトながらタコメーターも装備されており、ライダーズシートからの眺めは頼もしさがあります。
全長×全幅×全高は、2,310mm×855mm×1,090mm 、車両重量229kg、シート高705mmで、足つきは十分です。シートは前後分離式となっていて、ウレタンの厚みも取られたゴージャスな印象です。
走り
実際に走行してみましょう。エンジンはZ650やニンジャ650などのスポーツバイクと共通なので、鼓動感や振動は控えめかなと思っていましたが、5速、6速あたりから強烈なエンジンの鼓動感を味わえます。
速度は40km〜50km/hをキープしています。スロットルを開けていくとドコドコと鼓動を響かせながらスムーズに加速します。コーナーの立ち上がりで30km/hまで速度が落ちましたが、そこからスロットルを開けていくだけで、豊かなバイブレーションを伴いながら加速していくフレキシブルな力強さも感じます。
今度は適切と思われるギアを選びながらロードスポーツのように走ります。一気に3速までシフトダウンしました。先ほどまでの豊かなバイブレーションは徐々に収束していき、ニンジャ 650やZ650のテイストになってきました。回転域速度、そしてチョイスするギアによってエンジンの表情が刻々と変わるので、さまざまシーンでライディングを楽しめます。
※当記事は動画「MOTO BASIC」協力のもと、モトメガネが編集構成したものです。