人を識別するために利用されている「指紋」。人それぞれ、まったく違う形で指紋が現れることから、個別識別のために古くから使われてきた。では、人以外の動物はどのように識別しているのだろうか? どうやら人間の指紋のように、動物でも個体を体の「シワ」で識別することができるという。詳しく見ていこう。
牛の血統書にもスタンプされている部位とは?
人間の「指紋」のかわりに、動物のシワを識別するのが「鼻紋」だ。犬や猫、牛といった動物の鼻には薄いシワが刻まれており、そのシワを「鼻紋」と呼ぶ。鼻紋は人間の指紋のように1頭1頭模様が異なり、さらに成長によって形が変わることもないという。
古くから牛の個体識別に利用されており、現在も和牛を登記するためには、耳に付けられた個体識別番号を記入するだけでなく、鼻紋をスタンプすることが義務付けられている。
また、最近では鼻のシワから犬を識別できるアプリ「Nose ID」も登場。愛犬家のあいだで話題になっている。ペットサロンなどでも使われる「Nose ID」は、ペットの鼻紋をとって管理できるアプリ。スマホで鼻紋を撮影しておくと、個体の識別や予防接種の管理などを一括でおこなうことができる。
迷子の犬を見つけた時も、その犬の鼻を撮影してNoseIDで検索すると、迷子犬として登録されていた場合に飼い主に連絡することが可能。Nose IDのダウンロード数は1万件を超えており、登録されている鼻紋も増えている。しかし、AIによる認証の精度向上や検索スピードを上げるためは、より多くの「鼻集め」が必要となる。アプリの利用者が増えれば精度が上がるだけでなく、飼い主同士のコミュニティも活性化されるだろう。
指紋の変わりに動物を個体識別できる鼻紋。今後は「鼻紋」を活用した、ペット愛好家を支える新たなサービスが続々と登場するかもしれない。(フリーライター・波多野陽介)
■Profile
波多野陽介
学生時代からクイズ好きで、卒業後からフリーライターとして活動中。世の中の様々な雑学、トリビアを中心にオールジャンルの記事を手掛けている。知識量を増やすべく日々リサーチ中。
提供元・BCN+R
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