黒田剛監督 写真:Getty Images

 黒田剛監督や金明輝ヘッドコーチのもと、ヴィッセル神戸やサンフレッチェ広島とJ1優勝争いを繰り広げている町田ゼルビア。J2降格のサガン鳥栖に敗れるなど、勢いに陰りが見える中、Jリーグの関係者が同クラブの来季を展望している。

 町田はロングスローにおけるタオルの使用など、アクチュアルプレーイングタイムの短さで対抗。選手に他逸して、徹底的に勝負にこだわる姿勢を求める黒田監督のマネジメントもあり、しばらくJ1首位を走っていたが、直近5試合で2分3敗と勝ち点を伸ばせず。残り3試合で首位の神戸から勝ち点7差の3位と、逆転優勝に向けて厳しい状況だ。

 そんななか、元Jリーガーで日本代表OBの城彰二氏は11月5日に自身のYouTubeチャンネルを更新。J1優勝争いの行方について「神戸が優勝する可能性もあるし、町田の快進撃が始まって残り4試合すべて勝つみたいなこともある。想像がつかない」と語った上で、「町田が3位にいるのはすごいと思うし、黒田監督は色々な戦略を立てながら戦っている。補強していることも良かった点である」と、J1初参戦の町田を評価している。

 ただ一方で、黒田監督の右腕としてチームを支える金明輝コーチには、長谷部茂利氏の後任としてアビスパ福岡の監督に就任する可能性が報じられている。城氏は金コーチの去就報道にこそ触れなかったものの、町田の今後について以下のように私見を述べている。

 「来季が大変。クラブとして、もっとお金を投下して軸になる選手をもっと獲得するのか、それとも今のサッカー、もう全員で守って外国人選手中心で攻めるというスタイルで行くのか、これはちょっと分からないけど…」

 親会社である『株式会社サイバーエージェント』の資金力もあり、2024年夏にDF中山雄太やMF相馬勇紀と日本代表クラスの選手を獲得した町田。2025年以降、AFC(アジアサッカー連盟)主催大会に参戦する可能性もあるだけに、選手層のさらなる強化は必至だが、金氏の退団で苦戦を強いられるシナリオも考えられる。