と述べた。
1.5℃、2050年カーボンニュートラルを至高の目標とし、石炭火力のフェーズアウトを謳い、G7のみならず、他国に同様の行動を求めるという点で昨年の広島サミットと同様である。
数値目標のないG20共同声明G7が脱炭素化やエネルギー転換に前のめりのメッセージを出すのに対し、中国、インド、ブラジル、南ア、サウジ、ロシア等を含むG20のメッセージはトーンが異なる。
G20リオサミット(11月18〜19日)の首脳声明は本稿執筆時は未だ発出されていないが、その内容は10月3日にリオ・デ・ジャネイロで開催された「環境・気候持続可能性大臣会合」(10月3日)、10月4日にフォス・ド・イグアスで開催された「エネルギー転換大臣会合」(10月4日)の閣僚声明を読めば概ね見当はつく。
まず環境・気候持続可能性大臣会合の閣僚声明には「1.5℃目標」「2025年ピークアウト」「2035年60%減」「2050年カーボンニュートラル」への言及は全くない。
あるのは、
我々の指導的役割に留意しつつ、UNFCCCの目的を追求し、異なる国情に鑑み、衡平性、共通するが差異ある責任の原則及びそれぞれの能力を反映しつつ、パリ協定及びその気温目標の完全かつ効果的な実施を強化することにより、気候変動に取り組むとの我々の確固たるコミットメントを再確認する 入手可能な最善の科学を考慮に入れ、パリ協定の全ての柱について野心的な行動をとることの重要性を強調する COP28における野心的でバランスのとれた成果、UAEコンセンサス、パリ協定の下での第1回グローバル・ストックテイク(GST-1)の成果を歓迎し、全面的に賛同する
といった一般論である。
エネルギー転換大臣会合においては、「クリーンで、持続可能で、公正で、手ごろな価格で、包括的なエネルギー転換の加速」や「世界的なエネルギー転換のための資金ギャップを埋めるために、あらゆる資金源とチャネルからの投資を触媒し、拡大する必要性、特に途上国におけるエネルギー転換技術とインフラへの既存投資と追加投資のリスク回避、動員、多様化の緊急性」等が強調される一方、クリーン化石燃料あるいは石炭火力の段階的廃止(フェーズアウト)という文言が全く入っていない。